虹がきれいだよ。
いや、お前のほうが…
テレはじめるきみに。
ありがとう。ありがとう。
出典: https://www.uta-net.com/song/55449/
付き合っていた頃の「私」と「きみ」との掛け合いの場面です。
過去のインタビューで、二宮和也さんはこの曲について「きみを忘れる旅」がテーマであると語っていました。
つまり、上の歌詞中のありがとう。を繰り返す部分は、「きみ」との思い出から決別する、という意味が込められていると考えることもできます。
ちなみに、この部分は語り手が「きみ」に変わって、「きみ」が「私」と決別する、というふうに考えることもでき、解釈が分かれる部分でもあります。
実はこの部分の歌詞には、次に紹介する「それはやっぱり君でした」の歌詞を紐解くことで見えてくる、重大な意味が隠されているのですが、それは後ほど紹介しましょう。
「虹」のアンサーソングとして収録された、「それはやっぱり君でした」
2012年に発売されたアルバム「Popcorn」に収録された「それはやっぱり君でした」。
「虹」と並んで、二宮和也さんのソロ曲の中でも非常に高い人気を誇る一曲です。
この曲ですが、歌詞に注目すると、「虹」のアンサーソング、つまり続編であることが分かります。
「それはやっぱり君でした」の主人公は、「虹」で登場する「きみ」。今回は「きみ」目線で物語が描かれていきます。
「きみ」は、「君」(「虹」の主人公の「私」)と別れた後も誰とも結婚することなく過ごしています。このことを念頭に置いて、「それはやっぱり君でした」の歌詞を読み解いていきましょう。
「それはやっぱり君でした」の歌詞に注目
わかりやすくそう簡単に。
君と僕もわかるくらい簡単に。
伝えてみよう。
好きなんだよ。
出典: https://www.uta-net.com/song/137375/
「虹」の時には照れ屋だった彼も、「好きなんだよ」という言葉を簡単に伝えられるようになっています。
時の経過とともに、彼自身も成長したと考えることもできるでしょう。
しかし、次の歌詞によって、彼が簡単に「好き」という言葉を伝えられるようになった理由がそれだけではないことが分かります。
僕にはわかるんだ、君のいる場所が。
まるで見えてるかのように、隣にいるように。
だから辛いんだ。わかっているから、どうしても行けないんだ。
「まだまだ頑張れ」ってそこから君は笑うから…
出典: https://www.uta-net.com/song/137375/
「どうしても行けない場所」に「君」はいる。つまり、君はもうこの世には存在せず、天国に旅立ってしまった、ということが分かります。
別れてからも、彼は「君」のことを忘れることができない。だけど、「君」はもう届かない場所にいる……
この部分の歌詞から、どうすることもできない彼の苦悩を垣間見ることができますね。
曲の2番でも、「君」のために料理を作ったり、酔っぱらった勢いで「ずるい」と呟いたりと、彼は「君」のことが忘れられません。
しかし、間奏終わりから、彼の心情が少しずつ変化していきます。
優しく笑う君があの時間が空間が。
泣きたくなるくらい一番大事なものだよ。
何て言ってた頃は言えなかった。
出典: https://www.uta-net.com/song/137375/
「優しく笑う~大事なものだよ」は、虹の2番サビにも出てくる歌詞です。ここで、歌詞中の時間軸が一気に過去に振り戻されます。
そして、君と付き合っていた頃は言えなかった、と続く。言えなかったこととは一体何なのでしょうか。
その答えは、歌詞の最後にあります。
今なら言える。
虹より君はキレイだ…。
出典: https://www.uta-net.com/song/137375/
ずっと「君」に伝えたかったコト。それを、曲の最後で伝えることができたのです。
「それはやっぱり君だった」は「元カノを忘れる旅」がテーマになっています。
とすると、本当に言いたかった言葉を伝えることで、「君」との想い出から決別した、とも考えられますね。
と、ここまで2曲の歌詞を比べてみて、歌詞の最後の部分に何か引っかかりを覚えませんか?
「それはやっぱり君だった」によってつながる歌詞
虹がきれいだよ。
いや、お前のほうが…
テレはじめるきみに。
ありがとう。ありがとう。
出典: https://www.uta-net.com/song/55449/
今なら言える。
虹より君はキレイだ…。
出典: https://www.uta-net.com/song/137375/
それぞれ曲の最後の部分ですが、2曲を聴き比べることで歌詞がつながります。
「それはやっぱり君でした」で言いたかった言葉。実はそれは、「虹」の時に言えなかった言葉だったのです。
「虹がきれいだよ」と言った君に対して、彼は「お前の方が虹よりキレイだ」と言いたかった。
だけど、結局言えずに君とは離れ離れになって、もう二度と逢うことが出来なくなってしまった。
ずっと言えずにいた言葉を、「それはやっぱり君でした」の曲の最後で、やっと言うことができたのですね。
言いたかったけど言えなかった言葉。それを、月日が流れてからようやく口にすることができて、2曲に渡る物語は完結します。
実は、「それはやっぱり君でした」にまつわるある噂は、この部分に大きく関係しているのです。