夜空に見たもの
四六時中 君の顔が浮かぶ卯月の空
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
卯月とは陰暦で4月のこと。
学生として、または社会人として新生活がスタートするのが4月です。
ふたりの出会いも、そんな人生の節目で思いがけず起こった出来事なのかもしれません。
意気揚々、新しい生活を楽しみ始めた彼の前に現れたのが君でした。
これまでどういう訳か、恋することに無縁だった彼。
そんな彼が君に出会った瞬間、状況は一変しました。
まさしく恋に落ちるという感じです。
初めての感情に戸惑いつつも、君のことがずっと頭から離れなくなってしまったのですね。
毎晩、春の夜空に浮かぶ月を眺めては、君の笑顔を重ね合わせていたのでしょう。
歌の主人公は恋愛初心者
天気より季節より何よりも気になって
明日さえ待てないくらい
これがきっと恋なんだ
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
何かにつけてその人のことが気になったり、気が付くと目で追っていたり。
それは完全に恋をしている証拠です。
更には会えないという時間が、その恋心を増幅させていきます。
彼もやっと気が付きました、自分は君に"恋"というものをしているんだと。
言ってしまえば恋愛初心者の彼。
自動車運転に例えれば、こわごわアクセルとブレーキを踏んでいるようなものです。
なので、これまで味わったことのない感情に振り回されっぱなし。
しかしそれが今、喜びへと変わりました。
明日大雨が降ろうが、地獄のような暑さの夏がやってこようが、そんなことはおかまいなしです。
そう、気になることはたったひとつ、君のことだけ。
いますぐにでも会いたいという切ない恋慕が、溢れ出ているフレーズです。
誰かを好きになるということ
泣きたくなるほどに
最終電車が 近づく駅のベンチで
時計を気にするたびに泣きそうな気分になってる
手を振る笑顔は 帰したくないのに
僕は無理してばかり
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
まだまだ一緒にいたいのに、最終電車の時間になってしまいました。
お互いの帰る方向がどうやら違うようです。
ふたりは線路を挟んだ別々のホームのベンチに、向き合うように座っています。
大きな声を出さないと会話は続けられない切ない距離です。
後ろ髪をひかれながら、あとは身振り手振りのジェスチャーで相手に気持ちを伝えるしかありません。
彼は君に笑顔を向けながら、ちらちら時計を見ては心で泣いていました。
このまま時が止まってしまえばいいのに、電車なんてこなければいいのに、恐らくそう思っていたでしょう。
それなのに、その気持ちを正直に伝えることができません。
彼は恋愛初心者なので、今の気持ちをどう伝えればいいのか、その術を知らないのです。
それどころか伝えることによって、ふたりの関係が壊れてしまうかもしれないと恐れているのでしょう。
そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、対面ホームには無邪気に笑う君がいます。
変化したメロディー
星空みたい 淡く眩しい青いメロディー
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
1番では恋がスタートしたばかりで、何となく胸がザワツク心模様を青いメロディーとして捉えました。
時間の経過とともに、落ち着かなかった胸の内は安らぎへと変わっていったのでしょう。
青い夜空を見上げながら、君を想う気持ちが優しいメロディーとなる。
遠くに輝く星は、とても小さいけれど、いつでも眩しいほどに瞬き、幸せな気持ちをもたらしてくれます。
恋することは苦しいだけではないことを知り、今では嬉しい気持ちへと昇華したようです。
1か月が経過
限りない想い君に届け皐月の夜
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉