今日も打ち震えながら 終点駅のホームで
明日の僕がまだ待っている わがままで鈍間な主のお迎えを
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
1日が終わって帰っても、学校にはまた明日も行かなければいけません。
繰り返しの日々の中で、今日の自分と同じく明日の自分も価値のない世界や自分に打ちひしがれているのです。
それは周りの人間ではなく、自分が変わらないことを示しています。
変わらない自分に価値を見出せず、変わろうともしないわがままな自分に嫌気が差しているように感じられます。
豊かな社会の中で忘れられていること
心の傷は物では治らない
どうせ幾年経って車が空飛べど きっと何年経って機械が喋れども
何だって言いたいんだ 便利って言う前に 心の傷口を治してくれ
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
技術の進歩により、社会はどんどん便利で豊かになっています。
しかし、それらによって得られるものは生活を便利にしてくれるというだけです。
気持ちや人間の内面を豊かにしてくれるものとは必ずしもいえないでしょう。
どれだけ技術が進歩したとしても、人間の内面を本質的に癒すことはできません。
心に負った傷は、技術ではどうにもならないのです。
物質的な豊かさばかりを求める前に、心の傷を治して欲しいと訴えかけています。
自分を肯定するために
あんな空でミサイルが飛ぶのなら そんなもので幸せを乞うのなら
優しい人にならなくちゃ 僕は僕を肯定していけるかな
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
技術の進歩によって、人は相手を圧倒するような強い力を手に入れます。
実際の戦争であればミサイルのような強い武器で国を守ることができるでしょう。
学校という世界で考えれば、SNSを使ったいじめや陰口も簡単に人を傷つける武器です。
しかしそうした武器や力で本当に幸せや平和を手にいれることができるのでしょうか?
自分はそうなりたくない、優しい人間になりたいのです。
陰口などの武器を振りかざすような人間ではなく、他人に優しくできる武器とは違う強さを持った人間になる。
そうすることで、自分で自分の存在を肯定することができるのではないかと考えているのです。
世界への絶望
解消されない孤独感
頭を上げて前向けと言われても 暗闇じゃ前もクソもないな
一人で居れど 二人で居れど 孤独は孤独に変わりゃしねえ
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
絶望した世界では、顔を上げたとしても暗闇ばかりで希望の光も見つけられません。
どこを向いていようと何も変わらず、変化するきっかけさえ見つからないのです。
手を差し伸べてくれた仲間がいたとしても、暗闇の中にいてはその存在を十分に感じることはできません。
結局二人でいたとしても孤独であることには変わりはない、と諦めて投げ出しているように感じられます。
冷めきった世界
死にたいとか そんな歌を歌って またそれかと杭を打たれた
だけれども それ程の事しか 口から溢こぼれる言葉がどうしても見つからないや
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
暗く孤独な世界の中で生き続けることはとても辛く苦しいことです。
そんな状態で生きている価値も見出せない自分は、死にたいと思うようになります。
しかし、そうした負の感情を周りに打ち明けても、本当に寄り添ってくれる人は少ないのではないでしょうか。
相手を思いやる優しさではなく、突き放すような冷たさが返ってくることはよくあります。
そう突き放されてしまうことが分かっていても、それしか言えないほどに主人公は世界に絶望しているのです。