稀代のファンク・ミュージシャン久保田利伸
2018年、メジャーデビュー32年を迎えた久保田利伸は。
日本のミュージック界においてブラック・ミュージックを浸透させた立て役者の1人として大きな影響を持つ逸材です。
また、数多くのドラマ、映画の主題歌を手がけるなどヒットメーカーとしても一目を置かれた存在でもあります。
作曲家としてデビュー
1962年静岡県生まれの久保田利伸は、大学時代からのバンド活動を経て大学卒業後には作曲家としてデビューしました。
デビュー当時は田原俊彦、中山美穂、小泉今日子といったアイドルから鈴木雅之、高橋真梨子ら一流ミュージシャンへ楽曲提供をしていました。
そんな久保田利伸自らが歌手としてデビューしたのが1986年にリリースされた「失意のダウンタウン」です。
それまでの歌謡界にはなかった、久保田独特のファンキーなサウンドは瞬く間に浸透していきます。
1993年渡米しあの人と出会う
1993年、アメリカに活動拠点を置いた久保田利伸は1995年「Toshi Kubota」として全米デビューを果たしました。
その後、同じアパートに住んでいたことがきっかけで、ファッションモデルのナオミ・キャンベルと交流を深めます。
彼女とコラボした「LA・LA・LA LOVE SONG」をリリースしました。
同曲は、当時大ヒットしたフジテレビ月9ドラマ「ロングバケーション」(木村拓哉×山口智子)の主題歌に起用され、ミリオンセラーに。
活動の拠点を日本に戻してからも、数々のヒット曲をリリース。
今もなお、幅広い年齢層に支持されるファンク・ミュージシャンとして活躍しています。
緒形拳×安田成美、異色のホラーコメディ映画
1991年公開の映画『咬みつきたい』。
『デスノート』(2006)、『デスノートthe Last name』(2006)を手がけた金子修介がメガホンを取ったホラーコメディ映画です。
主演は緒形拳。若い世代の方々はご存じないかもしれませんが、日本を代表する名優としてその名を馳せた俳優でした。
1983年公開された緒形拳主演映画『楢山節考』は、カンヌ映画国際映画祭の最高峰・パルム・ドールを受賞しました。
テレビドラマでは中居正広主演「ナニワ金融道」シリーズ(フジテレビ)や妻夫木聡主演「ブラックジャックによろしく」(TBS)など、若手俳優とも共演しています。
緒形拳が一番似合わない役
映画『咬みつきたい』は、主演の緒形拳が「自分に一番似合わない役をやりたい」という要望から始まった企画だったそうです。
そんな経緯でスタートした作品で、緒形拳がドラキュラになるという荒唐無稽なストーリーになりました。
『咬みつきたい』ストーリー
竹井ゆず子(安田成美)は幼いころからドラキュラに憧れており、大人になって血液の研究者になりました。
そしてついに、ルーマニアから念願の「ドラキュラの血」を入手したのです。
一方、物語の主人公・石川周太郎(緒形拳)は高島製薬の薬品開発部長。ところがクルマに引かれて死んでしまいます。
実は周太郎が担当した新薬認可をめぐる贈賄事件が報じられ、周太郎は総務の北原が怪しいと思っていた矢先の事故でした。
病院で周太郎の死を悲しむ娘・冴子(石田ひかり)にゆず子は「ドラキュラの血」を提供。それにより周太郎はドラキュラとして蘇るのです。
どうやら周太郎は贈収賄罪事件絡みで殺されたらしく、蘇った周太郎は自分の死の真相を突き詰めるべく動き出す……というお話しです。
「ドラキュラの血ってなんだよ!」とか「蘇っちゃうって!?」
ツッコミどころ満載ですが、若き日の安田成美、石田ひかりを見るだけでも価値ある作品です。
残念ながらDVD、Blu-ray化、ネット配信もされていないようで現在視聴するのは難しい作品です。
映画『咬みつきたい』主題歌に起用
映画『咬みつきたい』の主題歌に起用された「Cry On Your Smile」は1987年10月21日にリリースされた久保田利伸4枚目のシングルです。
実はこの曲は久保田利伸初のオリコンチャートトップ10入り(8位)した記念の作品となりました。
コミカルな映画の主題歌なのに、とてもメロウなバラード曲です。
久保田利伸ファンにも人気の同曲は2018年3月現在、カラオケ「JOYSOUND」の久保田利伸人気曲ランキングで6位にランクインしています。
ではさっそく、同曲の歌詞をご覧ください。