毎日を一生懸命に生きてきた主人公。

そんな主人公を、温かく見守ってくれる人たちがたくさんいることに気づきます。

主人公の前向きで一生懸命な姿に、引き寄せられるかのように集まった人たちなのでしょう。

その中にいる一人の「」は、主人公の幼馴染です。

小さなころから一緒に過ごし、遊んできた幼馴染

その幼馴染の「」は、いつしか、主人公の恋人のように大切な存在になっていったのでしょう。

」は、いつだって主人公の一番すぐそばにいて、理解し信じあえる2人だったのです。

主人公は「」がそばにいてくれるからこそ、頑張れたことも多かったでしょう。

「君」と過ごした幼き日々から青春の日々

日記、みたいに
何もかも知りたい と
君がこぼす
散歩道のとちゅう
ツツジの甘い蜜を吸った。

出典: 影踏み/作詞:一青窈 作曲:都志見隆

主人公と「君」は、とても楽しい日々を過ごしてきたのでしょう。

一般的に見て、日記にはどのようなイメージがありますか?

今日あったうれしかったことや悲しかったことを日記に書き留めておく人もいるでしょう。

誰にも言えないような感情をぶつける場所として、日記に思いのたけをぶつける方もいるかもしれません。

目には見えない感情の部分を記す日記

そんな日記のように、全てを知りたいと「君」が言うのです。

とても深く愛されていたのでしょう。

「日記」を見せ合えるほどお互いを理解し、深い信頼関係で成り立っていた2人。

「ツツジ」は、「君」と主人公が幼少期のころからずっと一緒にいたことを意味しています。

ツツジの甘い蜜を吸う遊びを成長してからも楽しめる2人。

まるで2人でひとつのような、一緒にいるのが当たり前の2人だったのでしょう。

成長がもたらした別れの日

突然夢、が醒めて
迷子のきもちで悲しくなった。

出典: 影踏み/作詞:一青窈 作曲:都志見隆

2人一緒にいるのが当たり前だった主人公と「君」。

しかしずっと子どものままでいるわけにはいきません。

突然の別れは、大人になる瞬間に訪れたのでしょう。

義務教育が終了し、地元で社会人となる主人公。

しかし「君」は地元ではない離れた場所での生活を選んだのです。

きっと進学を選んだのでしょう。

高校までは同じ地元で過ごせたかもしれませんが、大学となれば地元を離れてしまう可能性が高くなります。

地元に残る主人公と、離れる「君」。

このような形で「君」と別れる日がくるとは思っていなかったのでしょう。

ずっと子どものころと変わらず一緒にいられると思っていたのです。

しかしそれも終わり

主人公としては、まるで見ていた楽しい夢が突然醒めるような気持ちだったのでしょう。

未来へ向かって意志を持ち進む「君」。

それとは対照的に夢を見続けられるものと思っていた主人公。

この先、「君」がいない人生を考えると不安でどうすればいいのかわからず戸惑ったことでしょう。

主人公の焦りや虚無感が伝わってくる部分です。

背中を押し「君」の幸せを願う主人公

自分よりも「君」の幸せを願う

いつの間にか大きくなっても
僕よりうんと幸せがいい

出典: 影踏み/作詞:一青窈 作曲:都志見隆

地元を離れる「君」を受け入れ、幸せを願う主人公。

これからは、主人公が知らない場所で、知らない時間を過ごす「君」。

とても寂しく、悲しいけれど、「君」の幸せを願う自分でいたい。

「君」は主人公にとって大切な人だからこそ、自分以上に幸せになって欲しいと思っているのです。

主人公が「君」のことをとても深く愛し自分のことのように大切に想っていることが伝わってくるでしょう。

「君」もまた同じくらい大切に想ってくれていたことに気づく

いつからずっと強くて弱いの
君は知ってて
同じ空みててくれてたの

出典: 影踏み/作詞:一青窈 作曲:都志見隆

主人公のずっと隣にいた「君」。

「君」もまた、主人公のことをとても深く愛し大切に思っていたのでしょう。

主人公が母親を亡くし、悲しみに沈んでいた時期も見てきたのです。

主人公がもう泣かないようにと、一生懸命生きてきたことも知っていたのでしょう。

そして、強くなった今でも、母親の手紙で泣いてしまうような弱い部分も知っていたのです。

そういったもの全部ふくめて、「君」は主人公を理解し愛していたのでしょう。

主人公が本当は、この先もずっと「君」と一緒にいたかったと思っていたこと。

「君」は口にはしませんでしたが主人公の気持ちはわかっていたし、自身も同じ気持ちだったのでしょう。

再び一緒に人生を歩み出す2人