挫折を知り始める頃の思い
何ごとにも自信がある人はうらやましいのですが人間的な魅力はどれほどでしょう。
繰り返しになりますが挫折を知らない人に共感を覚えることはないです。
少しくらいの挫折と不安を知っている人。
なおかつその状況を乗り越えて生きてゆく人にこそ私たちは魅力を感じるのです。
進むべき道を行くのですが今ひとつ自信が持てない「僕」。
こうした悩みは青少年の時代にこそ多く見られるものかもしれません。
自分の願いに周囲の大人が逐一反応してくれた幼少期は終わりました。
青少年は一人前になるための準備をしなくてはいけません。
大人になるための訓練の中で躓くことを知ります。
幼少期の自分中心でいられた無敵な感じは消え去るでしょう。
様々な人の中に揉まれるうちに自信を喪失します。
彼の方が「僕」よりも優れているのではないかなどと悩み始める時期です。
何かしらのコンプレックスが芽生えるのもこの頃でしょう。
一度失敗をしてしまうと、次も間違ってしまわないか心配になります。
幼少期はのびのびしていた心持ちが、少しずつ萎縮してゆくのです。
学業の成果で人生を振り分けてしまう教育システムの弊害かもしれません。
「勝ち組」「負け組」への振り分けはこの時点から始まっています。
こうした状況の中で「僕」は不安を覚えるのです。
しかし浜崎あゆみは「僕」に暗い未来を与えません。
「僕」が自分の足で未来を切り拓いてゆくさまを「Song 4 u」の中で描きます。
もう少し先を見ていきましょう。
選択こそ人生の総決算
選ばないだけなら
不安はないね
だけど変わることも
ないよね
出典: Song 4 u/作詞:ayumi hamasaki 作曲:HINATAspring Yuta Nakano
目を瞑って生きていけるのならば心配することもありません。
しかし私たちの人生はそうしたイージーさを許してはくれないのです。
人生というものの正体はその都度の選択の総体のことを指します。
きちんと立ち止まって考えて選択をしてきたことの総決算がその人の実存というものです。
選ぶということはとても大切なこと。
人生の節目だけに限らず、毎日の生活の中で私たちは選択をしています。
どの選択肢も採用しないのであれば事態は停滞したままでしょう。
選択するという行為の重圧から抜け出ることはできるのですが人生は一向に進展しません。
人生を停滞させたままで生きることは誰にでもできることではないでしょう。
競争のない暮らしの中では可能かもしれませんが、現代にそのような空間はありません。
人生を停滞させることは生きることと矛盾を生じさせるのでしょう。
現状に変化を加えながらとにかく前へ進む選択をすること。
「僕」は躊躇しながらも前へ進むことを選ぶのです。
このラインから浜崎あゆみの人生哲学の一面を覗くことができます。
「Song 4 u」と愛の力
ふたりで弱さをシェアしながら
いつだった? どうなった?
もうダメだって 全ておしまい
だってなってた あの時
何だった? 誰だった?
そんなんでも なんとか
もう一度って思って進めたのは
2 u, yeah
信じてる 信じられてる
4 u, yeah
空だって 飛べる気がする
ただひとり 君のためなら
出典: Song 4 u/作詞:ayumi hamasaki 作曲:HINATAspring Yuta Nakano
もうクライマックスになります。
「Song 4 u」は4分に満たない楽曲ですからお別れが早いです。
もう少し「僕」と「君」の風景を見つめていたいのですが仕方ありません。
「僕」は一度、完全なる絶望の淵にいたことが最後で明らかになります。
この青少年の悩みがここまで根の深いものであったのかと痛い思いに共感されられるでしょう。
「君」もひっそりと泣いている少女でした。
このふたりは弱さをそれぞれシェアしながら成長してゆきます。
不可能を可能にするのは愛
「僕」は「君」との信頼関係の中に光を見出して前へと歩んでゆきます。
「君」のためだけならば空を飛べるとも歌うのです。
このラインはふたりでいれば不可能を可能にできるということでしょう。
それだけ深い愛を「君」に見出すのです。
青少年期の愛が長続きするケースは残念ながら少ないでしょう。
それでもこの時期の恋愛もそれぞれ本気でぶつかっていました。
この時期なりの甘さは残されているのですが、未知なる未来をふたりで切り拓きたいと願ったのです。
誓った愛は本物でしたし、愛があるからこそ無敵になれるという実感がありました。
厳しい社会生活の波の中でこの稚い愛が耐えられるかどうかは分かりません。
それでも愛にこそ可能性があるのだと気付けた経験は生涯忘れられないものになります。
愛を動機にしていきてゆくこと。
生活を組織する上でも愛こそを一番の根拠にすることの大切さを学びます。
やがて将来を見据えたパートナーとしてお互いを確認するでしょう。
失敗や挫折から立ち上がった経験を活かしてふたりで家庭を築けたならば一生モノの幸せになります。
「僕」も「君」もまだ人生の戸口に立ったばかりかもしれません。
未来はまだ光の向こうにあるのですから、突き進むためには飛翔することが必要なのです。
飛翔する動機は「君」への愛にかかっています。
ふたりで拓ける未来を可能なものにするために浜崎あゆみは若い愛を歌いました。
「Song 4 u」
あの頃の若かった愛への讃歌であり、今、若い愛を生きるリスナーへのエールです。
ここでの「僕」の様々な逡巡に懐かしい想い出がよみがえる人もいるでしょう。
若いリスナーは今何をするべきなのかを知ることができます。
お姉さんである浜崎あゆみが届けてくれたドラマ「Song 4 u」の真価は様々な尺度で計れるでしょう。
空を飛べるように不可能を可能にできるのは愛する人への一途な想いが根拠になる。
愛を最優先にして生きることが正義に適うことなのだと教えてくれる素敵な歌です。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
OTOKAKEと浜崎あゆみの軌跡
浜崎 あゆみ「M」が話題!?歌詞詳細が知りたい! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
1990年代後半にデビューしてから音楽やファッションといった分野でカリスマ的存在として人気を誇っていた浜崎あゆみ。ソロデビュー以降音楽番組以外のほとんどテレビ出演がなかった浜崎あゆみでしたが、最近ではトークバラエティにも出演し、再び注目を集めていますね。今回はそんな浜崎あゆみの代表作ともいえる「M」の歌詞を紹介します。
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