爽やかな名曲が誕生!
彼らから産み出される爽やかなメロディにも関わらず力強いメッセージの虜になる人は後を絶ちません。
ロックではあるものの、ポップスの側面もあわせ持っています。
巧妙なレトリックと絶妙なバランスの曲調はもはや実力派バンドの域です。
いまでは、日本各地で行われる大型フェスに引っ張りだこです。
歌詞を徹底解釈!
無機質な日々
「ねえねえ、朝よ。もう起きて」
無機質なベルを指でなぞる
目覚めて目醒めて
さあ乗り込む
鉄の箱
胃袋にゼリー入れ
出典: 春風/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
日常の生活模様を感じとることができます。
鉄でできた目覚まし時計のベルを眠気眼で止めます。
無機質な時計は、淡々と時刻を伝えるだけです。
目が覚めて、意識をはっきりさせます。
「目醒める」は通常の使い方ではありません。
ここでは、迷いから覚めたり、何か気付きがあったりそんな意味を感じ取ってほしいという歌い手の思いがあります。
そして目醒めたあとには、鉄の箱に乗ります。
鉄の箱は、電車や車でしょう。
目覚まし時計や鉄の箱は、日常の無機質さを表していると考えられます。
毎日の繰り返しで、刺激もなく、緩急もなく、淡々とした日々。
誰でも体験したことがある共感できる日常です。
なびく木々さえも羨ましい
心配なんてかけぬように
この街の好きな所を見つけて
故郷の方角に
なびいている木々を羨んで
くわえた親指から飛ばしてみる
出典: 春風/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
この歌の主人公は、故郷を離れて暮らしているようです。
なぜか必死に街の良さを探しているように見えませんか?
自然に新しい街に馴染んでいるのであれば、街の良さなんて後で気づかされるものです。
さらに、故郷の方角で揺れている木々に対してすら羨ましい気持ちを感じています。
親指をくわえる仕草は、何かに対して羨ましい気持ちや悔しい気持ちを持つときによく出てきます。
つまり、ここでは住み替えた街になかなか馴染めず、懐かしい故郷を思い出しているのです。
春風よ、届けて
届けて
春の風に
紛れて舞い込み
安らぐように
出典: 春風/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
春は、新しい物事がスタートする季節です。
もしかすると主人公は春の季節に新生活や新しい環境に飛び込んだのでしょう。
しかし、すぐには馴染めず、思うようにいかない日々を過ごしていたのです。
無機質な目覚まし時計に起こされ、無機質な箱に入れられ、無機質なゼリーでとりあえずの空腹を満たす日々。
そんな日々でも一生懸命馴染んでいこうと努力をします。
だから、春風にお願いするのです。
春風のように、新しい環境に紛れ込むように馴染んで、安らぎを感じられるようにと。
春のような貴女へ
届けて
春風吹く街の
春のような貴方へ
出典: 春風/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
「春のような貴女へ」という歌詞が非常に印象的です。
春は、始まりの季節です。
つまりまだ街に慣れない貴女は、まだまだ始まったばかりなのです。
春は命をもたらし、活力が生まれる季節です。
だから、心配しなくても大丈夫なのです。
春風のように、ゆっくりと、でも着実に暖かくなっていくのです。
無機質な日々に、温度と彩りが宿り、あなたが求めている安らぎを得ることができます。
大丈夫だよ、心配しないでと勇気付けられているようなメッセージを感じます。