一度聞いたら忘れられない!ユニークなバンド名
透明感のあるルックスと甘くさわやかな曲調。
そして彼らの作る美しい世界観でじわじわと人気を集めているロックバンド『mol-74』。
こちら、「モルカルマイナスナナジュウヨン」と読み、見ただけでは読めないバンド名です。
どこに「カル」と読む部分があるの?と思ってしまいますね。
雑誌のインタビュー記事によると、バンド名の由来は「特にない」だそう。
しかしこれは、メンバー的には特に面白いわけじゃないので「特になし」ということになっているようです。
視力が悪い=『モグラ』
ボーカル・ギター・キーボードを担当する武市和希はこう言います。
学生時代に結成した当時のメンバーはみんな視力が悪くバンド名は「モグラ」がいいということになったそう。
モグラは英語で「mole」。
そしてそんな時、化学用語で「mol(molecule/モルキュール)」というのを見つけます。
用語を調べてみたら「集合体」という意味があるそうです。
それにmole(モグラ)ともスペルが似ています。ということで採用!
moleculeを和製英語っぽく読んで、モルカルにしました。
住所を引き算してみると?!
さて、さらにバンド名には何か数字を入れたい、とも思っていた武市和希。
通っていた高校の住所「1-15-60」をそのまま計算し出た「マイナス74」をくっつけました。
「-」はハイフンと読むのではなく、マイナスと読むのはそのためなのですね。
こうして、「mol-74」というパッと見は読めないバンド名が生まれたのです。
「今までと少し違う」曲となった『%』
透明感のあるその世界観と曲調に定評があったmol-74。
『%』は、2016年に発売されたミニアルバム『kanki/mol-74』に収録されています。
この楽曲、ファンの間では、ちょっといつもと雰囲気が違う名曲とのこと。
確かに、彼らの持つ良さはそのままに、軽快さと躍動感がプラスされたように思います。
その結果リスナーの幅を広げ、バラエティー番組などの挿入歌としてもたびたび聞かれるようになりました。
その曲の変化は、彼らの変化でもあり、歌詞の中にも反映されている部分があります。
それでは、これからmol-74が描く『%』の世界を、歌詞を追いながら解釈していきたいと思います。
軽やかな拍手の音が楽しい~1番~
パッとしないこの世界を変えよう
紙とペンでは描けないような
素晴らしい世界が待っているはず
何もしないで得るものはないと
頭の中で分かってるけど
つまらないものが邪魔をする
出典: %/作詞:武市和希 作曲:mol-74
一般的に「想像は自由だ」と言われます。
想像の中ではなんにでもなれて、どんなこともできる、と。
だからといって、頭の中で考えているだけでは、何も変わりません。
何かを手に入れたい、変わりたい、と思ったらまずは動いてみることです。
…なんて口ではいくらでも言えるし、もちろん、そんなことは誰もがわかっているのです。
分かっているけれど、なかなかできない。
ここでいう「つまらないもの」とは、なにを指しているのでしょうか。
変化することへの恐れやリスク、自我や他人の目などを表しているのかもしれません。
勇気が湧いてくる
それでも、簡単には表現しきれない「素晴らしい」世界がどこかにあるはずと信じているのですね。
そこは、「いつもの日常」=「パッとしないこの世界」の向こうにあるはずです。
アップテンポの拍手の音、歯切れのよい歌声が、まるで「一緒に探しに行こう!」と勇気づけてくれているようです。
美しいファルセットに酔う
『%』は軽快な曲調ですが単なるポップスにならないのは、ボーカルの澄んだファルセット(裏声)が効いているから。
嫌味や媚びのない、伸びやかなファルセットが『%』の世界観を完成に導いています。
それは、耳に優しく残り、心のヒダを優しくくすぐるような、美しい声。
真似しようとしても真似できない、唯一無二の音楽を作り上げているのですね。
唯一無二を信じて~サビ~
二つとない
一つしかない
僕らが描き始めたもの
二つとない
一つしかない
君にしか見えない、聞こえないもの
出典: %/作詞:武市和希 作曲:mol-74