「ひとり」を歌うのはヒロイン
「ダリフラ」のED曲はキャラソン
今回ご紹介する楽曲「ひとり」は、アニメ「ダリフラ」こと「ダーリン・イン・ザ・フランキス」のED曲の1つです。
2018年1月から2クールにわたり全23話が放送された「ダリフラ」。
一般的にはクールごとにED曲がつくので、2クールなら2曲です。
ところがこの「ダリフラ」はED曲が全部で6曲も用意されました。
「ひとり」はそんな楽曲のうちの1つなのです。
楽曲はすべて「XX:me(キス・ミー)」名義。
このXX:meは「ダリフラ」の女性キャラクターたち5人によるスペシャルユニットです。
「ひとり」を歌うゼロツーって?
ED曲のなかで、唯一ソロ曲として歌われているのがこの「ひとり」なのです。
歌うのはヒロインのゼロツー。
声優はこれまで数々の人気ヒロインを演じてきた戸松遥です。
ゼロツーは他のキャラクターとは一線を画する存在。
この画像でも、小さな角が生えているのが分かると思います。
そう、彼女は人間ではありません。
"叫竜の姫"と呼ばれる存在なのです。
叫竜(きょりゅう)を簡単に説明すると、「ダリフラ」の世界で人類が戦っている相手となります。
ネタバレを避けたいのでこれ以上は語りませんが……。
とある事情から叫竜の血が流れているゼロツー。
彼女は、人類が開発した対叫竜ロボのフランキスに搭乗し戦っています。
そしてある日、主人公のヒロに出逢い、彼に恋をして……。
複雑な出自と哀しい運命を背負った、そんなゼロツーが歌う曲が「ひとり」なのです。
「ダリフラ」ED曲が果たす役割
「ダリフラ」には次回予告がない
「ダリフラ」には次回予告がありません。
アニメとしてはかなり珍しいですよね。
ED曲には、次回予告に相当する情報が詰め込まれているともいえます。
ED曲には様々なテイストの楽曲が用意されていました。
その歌詞には、登場人物たちが置かれた状況やこれからの展開を予期するような内容も盛り込まれています。
「ダリフラ」第13話が泣ける
「ひとり」が歌われた第13話
複数のED曲が用意されましたが、「ひとり」はたった1回しかオンエアされていません。
流れたのは第13話。
ひとことで言ってしまうと、とても悲しくて寂しいけどかすかに温かい。
筆者にとってはそんな回でした。
思わず涙をこぼしたという視聴者も多いのではないでしょうか?
この第13話では、ヒロとゼロツーの幼い頃の出逢いの記憶が描かれます。
それは2人にとって、その後の生き方に大きく影響を与えるような出来事でした。
まさに運命の出逢いです。
その内容が明らかになると同時に、ゼロツーの悲しい幼少期も明らかに。
そのなかでキーアイテムとして登場した架空の絵本「まものと王子様」。
この絵本はアニメ全編を通して重要な意味を持つことになるのですが……。
本編ではざっとあらすじが紹介されました。
そして神がかった入り方でEDへとつながり、「ひとり」が流れ始めます。
その歌声に乗せて、「まものと王子様」の内容が1ページずつ映し出されました。
第13話だけの楽曲とアニメーションが用意されていたことからも、この回の重要性がうかがえますね。
絵本「まものと王子様」
「ひとり」の歌詞を考える際に外せないのが、さきほどご紹介した絵本「まものと王子様」です。
絵本は"魔物"の姫と"ヒト"の王子様の物悲しい恋の物語。
魔物の姫はある日ヒトの王子様に恋心を抱きます。
彼と結ばれたい姫は、魔女に頼んで羽根と引き換えに人間の姿にしてもらうのです。
そして彼の命を救ったことがきっかけで2人は結婚しハッピーエンド。
と思いきや、ある日姫の身体は醜く変形し始めてしまいます。
呪いによって化物になりかけているのです。
自我のない化物になることを止める方法はたったひとつ。
それは愛する人を自分の手で殺すこと。
そうすれば化物にはならず元の魔物の姿に戻れる。
しかし姫は王子の頬にキスをして姿を消してしまいます。
たとえ自分が化物になったとしても、愛する人の命より大切なものなどなかったのでしょう。
13話で描かれたゼロツーとヒロの幼い頃の物語に似たような内容の絵本。
この絵本の結末が、はたしてゼロツーとヒロの結末と関係あるのかどうか。
放送当時、「ダリフラ」界隈ではかなりの盛り上がりをみせていました。
「ひとり」の歌詞の世界
お待たせしました!
ここまでの内容を踏まえ、「ひとり」の歌詞を解説していこうと思います。