再び、歩くという決意
空青く 眩しさに目覚めてく…
出典: 明日への記憶/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
窓に映る自分を見て、全てがここにあると気付いた主人公。
全てというのは命、居場所、友達、恋人、人によってさまざまなことでしょう。
決意を新たにした2番では、都会(まち)の見え方がガラリと変わっています。
主人公の感覚は色づきはじめ、光を感じられるようになります。
無感動な心から、目の前に広がる光や色を感じ取れるようになっているのです。
「生」を感じられるように
鳥が影落とし舞い上がる あこがれてやまぬあの場所まで
過ぎる日を都会を 今日も俺は行く
出典: 明日への記憶/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
この部分ですが1番では鳥が~の後には「目指していく」と綴られていました。
2番では「舞い上がる」に変化します。
主人公はずっと同じ光景を眺めているはずなのですが、感じ方が歴然として違うのです。
「目指している」は少し距離のある言葉ですね。
目指しているというからには目指すゴールがあり、そこに向けての行動となる言葉です。
「舞い上がる」は喜びや嬉しさの感情を持ちながらただ気持ちも体も上へ上へ飛んでいくこと。
そこにはゴールのような目的はありません。
この対比からも見てわかるように、傍観者だった主人公の心に血が通うのが分かります。
「生」を感じ取れるようになっていく姿といえるでしょう。
それらをすべて1曲の歌詞の中で表現できる宮本浩次さんは音楽家でもあり文学者でもあるのです。
チクタクの効果がまさにロック!
家に辿り着いてドアを開けた 部屋に辿り着き今日の俺よさらば チクタク
午前零時一人の孤独な俺に去来する今日一日の出来事 チクタク
時計の針が俺をひきずる チクタク
思い出 後悔 欲望 チクタク チクタク
寝転ぶ俺に襲い来るお前への思い 勝利への祈りが
タバコの煙 揺らめく窓に心に
どこまでもどこまでも チクタク
俺の明日が始まってる…
始まってる…
出典: 明日への記憶/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
ここは楽曲のなかでも最高潮の盛り上がりを見せる大サビです。
「静」だった主人公が「動」へとシフトチェンジしていく姿が描かれています。
ところで皆さん、チクタクと言葉を今、口にしてみて下さい。
時間にして約1秒くらいですが、皆さんの中ではどれくらい時間が進んだ気がしますか?
チクタクという言葉を口にすることで、時間を自分の意思で進めているという気がしませんか?
進む時間には個人差があります。
それは5分かもしれないし1時間かもしれない。
しかし主人公は曲の最後では自らの意思で時間を動かすほど、明日を求めているのです。
もう新しい1日は始まっている、と希望を膨らませている様子がわかります。
また新しい自分へ祈りながらその時を待っているのではないでしょうか。
冒頭の「静」、終盤の「動」。
このコントラストの対比が人の熱へと変えている素晴らしい楽曲ですね。
向かう先はリスナーとの共感地点
悩みをわかちあえるという熱さ
今回はエレファントカシマシの【明日への記憶】の歌詞を解釈して紹介してきました。
いかがでしたでしょうか。
今まさに、悩み落ち込んで動けなくなっている人。
理由はわからないけれど虚無感に襲われている人。
この楽曲との共感度は高いはずです。
そして聴いていくうちに再び歩く気持ちへと変化していくのではないでしょうか。
まるで音楽の向こうから宮本浩次さんが手を伸ばしてくれているかのような。
そんな熱さを感じ取れる1曲だったと思います。
熱いものを心から感じたい人にぜひともおすすめしたい楽曲でした。
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