楽曲について
そんな彼の楽曲『地球最後の告白を』について歌詞を解釈します。
kemuさんといえば、その楽曲間に通ずるストーリーが魅力的。
『カミサマネジマキ』に始まって『敗北の少年』までの計7曲に1連のストーリーが見られます。
2014年に公開されたこの楽曲は、6年で440万回再生を突破。
壮大なメロディーと、誰かを想うことを描いた歌詞が魅力的です。
YouTubeやSNS各所でもこの楽曲に対する各々の解釈がなされています。
この楽曲が意味しているものとは一体どのようなものなのでしょうか。
誰もいなくなった世界で
そして君が知らずに 幸せな灰になった後で
僕は今更 君が好きだって
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
楽曲の冒頭から「終末後の世界」が描かれています。
歌詞の1行目からは既に君がこの世に存在していないことが述べられています。
そしてその君に誰よりも好意を抱いていた主人公。
見逃せないのは、歌詞2行目の「今更」です。
君が生きている間も主人公はずっと好意を抱き続けていました。
しかしながら、それを気づかないようにしている自分もいたのです。
やがて誰もいなくなった世界で、もう一度改めて君への好意に耽っています。
あの日に取り残されたまま
突然降りかかった災難
「大人になりたくないよ」なんて大人ぶってさ
駆けた少年の日
どうやら僕に訪れた悪戯いたずらは
相当タチの悪い不老不死のおせっかい
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
若い頃は誰しもが必死に大人になろうとします。
幼いことを恥だと感じて、虚勢を張って抜きん出ようとするのです。
それどころか、主人公に降りかかった災難は「不老不死」。
それは文字のままに「一生大人になれず、死ねない身体」なのです。
ずっと永遠にこの世界を生き続けていく運命となった主人公。
しかし、主人公にとってそれは「良い事」ではなかった。
それは、歌詞4行目に羅列された文字を読み解くことで明らかになります。
「不老不死」という単語以外は全てネガティブな単語が並んでいます。
壊された命
神様ステキなプレゼントをありがとう
なんて到底的外れな
幼い冗談の奥に 大事に隠した
片思いは察してくれないんだ
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
一生このまま生き続けて、死ねないこと。
それは、大切な人が次々と居なくなることを意味します。
子供の頃のあの日、好きになった君のその笑顔。
主人公だけがあの日のままで、君はもうどこかへ居なくなってしまった。
形容するならばそれは「死すら越える苦痛」なのです。
痛いほどにあなたを想い続ける
もう2度と戻れない
追い越してく 戻れない憧憬
好きな人に さよならを
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu