無邪気に喜べないけれど…
Why? 強いあなたが寂しさに負けるなんて
Lie! 人恋しさは年をとったしるしでしょ
Ah 無邪気になれない出会った昔のようには
受話器置いて せつなさに泣き崩れた
出典: 告白/作詞:竹内まりや 作曲:竹内まりや
次の場面では、今さらの告白をしてきた彼のことを考えます。
年を重ねて、寂しさに負けただけ。だから私のことを思い出しただけ。それは愛じゃないのだと。
そして彼女も同じように年を重ねて、告白されても無邪気に喜べないことを知るのです。
でも、電話を終えて襲ってきたのは切なさ。今更戻れないけれど、あの頃の気持ちがよみがえりそうと心が揺れ動きます。
そして強かった彼がさみしそうに見えることに複雑な感情が沸き起こっていることが感じとれます。
女心の本音
女心はいつも言葉と
裏はらな企み隠してる
どんなに遅すぎても告白
待ちわびて生きているの
出典: 告白/作詞:竹内まりや 作曲:竹内まりや
そしてこの曲のクライマックス、彼女の本心の告白です。
今さら戻れない、今の暮らしを壊さないでと強く拒絶したものの、それは心の一面にすぎません。
言葉にしたこととは違う思いを女はいつも心の中に隠しているからです。
とうに別れた彼からの愛の告白でさえ、ずっと待ちわびているのが女なのです。
振られた彼氏であればなおさらかもしれませんね。もっと言えば、「別れて後悔している」との言葉を聞きたいのかもしれません。
この一連の歌詞は、女性なら誰にも言えないずるい部分をズバリ言い当てられたようで、耳をふさぎたくなるのではないでしょうか。
恋をいくつか経験した女性ならば共感してしまう歌詞です。
覚えていて
Ah 失ったあとで真実に気付くのは何故
それでもまた朝は来る知らぬ顔で
もしもワインの酔いが醒めても
本気で好きとつぶやいたこと
心の片隅に覚えてて 密やかな恋の証
出典: 告白/作詞:竹内まりや 作曲:竹内まりや
ここでは、彼の愛の告白がお酒に酔った勢いで言った言葉にすぎないかもしれないと思い返します。
でも一方で、その言葉は「本気」だったとも受け止めていることがわかります。
そして彼女が一番強く思っているのは、その告白を忘れないでということ。
「それはあなたが私に恋をした証」だからです。
そして同時に、彼女も決して忘れることはないのでしょう。
今の彼に決して言えない愛の告白を受けたことを。
心のずっと奥に隠してある秘密の箱にしまったその出来事を、時々開けては大切に愛しむ時間を持っていくのかも知れません。
今の彼には決して悟られないように。
夫をハラハラさせる妻の過去!?
歌詞をひも解いていくと、元彼から告白を受けて拒絶しながらもずっとどこかで待ちわびていたことを認める彼女と、元彼にその告白を忘れないでと願う気持ちが描かれているのがわかります。
冒頭でもお話ししたように、これは竹内まりやと山下達郎の夫婦共作の楽曲です。
作詞作曲は竹内まりやなので、もし自分の妻がこうした詞を書いたとしたら、夫としては面白くないかもしれませんよね。
自分の妻にもこんな経験があったのかもしれない、自分と結婚後に、まさにこの歌詞のように元彼から愛の告白を受けたのかもしれないと、想像してしまうのは仕方ないでしょう。
ですが、歌手に限らず作家にしろ画家にしろ、アーティストが作品を発表することは自分の内面を世の中にさらすという一面を持つので、竹内・山下夫婦に限らずこうしたことはよくあることなのかもしれません。
そして、おそらく山下達郎はシンガーソングライターである竹内まりやの一番の理解者であるはずなので、こんな邪推は無粋なことなのかもしれません。
でも、竹内まりやの歌詞にならってずるい女心で想像してみると、“こんな歌詞を書いてあえて夫をハラハラさせている妻”の姿も想像できなくはありません。
とても悪女的ですが、言葉とはいつも裏腹なたくらみを隠しているのが女ですから、あり得ないことではないですよね。
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