「会わない」という決断
もう会えないから
もう会わないから
永遠に僕を許さなくていい
でもあなたが今 この空の下で
誰より幸せなこと願っているよ
出典: Heavenly White/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志
2コーラス目のサビにあたる部分の歌詞です。
彼は彼女に「会えない」ことを知っています。
そして「会わない」と決断するのです。
若かりし頃の自分の恋愛に想いを馳せ、今もどこかで過ごす彼女ことを大切な存在だと感じる彼。
その気持ちはきっと「愛情」を超えたものなのだと感じます。
また、「永遠に」以降の歌詞は自分を戒める主人公なりの表現。
あの恋愛を通して大きく成長できたことを思い、彼女に対して「ありがとう」という気持ちを伝えているようです。
別れてもなお相手のことを尊重し、その幸せを願うことができるほど一回り大きくなった主人公がここに描かれています。
「Heavenly White」の歌詞をチェック!(エンディング)
天空の白
そしてまた雪が降る
世界を染めながら 降り続く…
どんな悲しみも
埋め尽くす色彩
Heavenly White
あなたに届け
出典: Heavenly White/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志
エンディングに向かう部分の歌詞です。
ここでタイトルにもなっている「Heavenly White」という言葉が登場します。
歌詞の中で多く使われてきた「雪」に関する描写が、この「Heavenly White」に結実しているようです。
「Heavenly」とは、直訳すれば「天空の」という意味で、この言葉は「天空の白」というようなものとして捉えることができます。
それは直接的な意味を突き抜け「神聖な白」、さらには「真実の白」というようなものとしても意訳できるものです。
主人公は彼女との出会いを通して「人を愛すること」を知り、別れから時間を経た現在になってその本当の意味に気付きます。
自分を大きく成長させてくれた人に対する無償の感情。
それこそがこの「Heavenly White」の意味するところであり、それは「真実の愛」を物語るものなのではないかと思います。
自分への言葉
サヨナラと言った
冬の日にあなた
最後まで涙 見せなかったのは
粉雪に映る 若すぎた僕が
全然強くないこと
解ってたから
もう会えないから
もう会わないから
出典: Heavenly White/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志
エンディングに置かれたサビでの歌詞です。
ラストの部分において、改めて「何もできなかった自分」が描かれます。
別れのシーンにおいて涙を見せず気丈にふるまう彼女。
それがよりいっそうあの頃の「未熟な自分」を際立たせます。
終盤で繰り返される「会えない」「会わない」というリフレイン。
それは、まるでその「未熟な自分」に対して向けられた言葉のようです。
「会えない」とは「戻れない」とも受け取ることができて、そこから「当時を懐かしむ気持ち」も読み取ることができます。
「会わない」を「戻らない」と捉えることで浮かび上がるのは「今を生きる主人公の姿」です。
楽曲の締めくくりの部分において前向きな姿勢が語られ、物語はフィナーレを迎えます。
「Heavenly White」の歌詞総括
「Heavenly White」で描かれているのは「男女の別れ」。
しかし、本作で扱われているのは表面的な「別れのシーン」ではありません。
この作品のテーマとなっているのは「別れを通じて成長することができた主人公の姿」、そしてその感情です。
稚拙だった彼が、自分本位な振る舞いから相手を傷つけてしまい迎えることになった別れ。
雪のように降り積もった彼女のへの想いは今の彼をよりいっそう強くさせ、前を向くことを後押しします。
「会わない」というセリフはそんな彼だからこそ口に出来た言葉です。
「Heavenly White」というタイトルには、そんな彼の成長した姿や純粋な愛情のような意味が込められているのだと感じます。
「Heavenly White」の概要とサウンド
「Heavenly White」は2009年にリリースされたEXILEのアルバムに収録された楽曲。
ピアノにアコースティックギターのサウンドが絡むスローR&B的なアレンジが施されています。