別れた後というのは、「あの時こうしていればもっと一緒にいられたかもしれない」という後悔がいつまでも残ります。
「誰にもみせないその姿を もうちょっとだけ 見ていたかったんだ」という歌詞からは、「もっと一緒にいたかった」という切ない気持ちをヒシヒシと感じます。
1行目で「いつも〜」といっていることから分かるように、彼女にとってこの後悔は何度も心を駆け巡るもののようです。
後悔が残っているだけでなく、定期的にその後悔に心が深く飲み込まれてしまいそうになる。
それほど深い後悔なのではないでしょうか。
2行目以降では「もっと一緒にいたかった」という想いと同時に、自分が相手にとっての特別だったということを表しています。
他の誰も見ることのできない、自分だけが知っている相手の表情や仕草。
それをもっと知りたかったのに、2人は今では離ればなれになってしまいました。
もう戻ってはこない2人の時間。
何故主人公がそこまでその時のことを思い出すかというと、それはその時間がとても幸せなものだったからでしょう。
時間というのはもう2度と戻ってはこないからこそ美しいのかもしれません。
かけがえのない存在
いつものジョークが街に消えてく
誰にも見せない僕の姿を
もうちょっとだけ
見せたかったんだ
時がそっと睨んでいる
出典: オーケストラ/作詞:松隈ケンタ,JxSxK 作曲:松隈ケンタ
ここではまた主人公の孤独が表現されています。
前述の歌詞で、主人公は相手にとって特別な存在であったことを語っていました。
ここでは反対に、彼にとっても相手が大切な存在であったことを語っているのです。
お互いに心を許し合っていたことが分かります。
自分のそんな姿を、相手にもっと見て欲しかった。
何故なら、主人公にとって相手がそれだけ特別な存在であったからなのでしょう。
彼にとって未だに代わりになる存在はいないのだと考えられます。
むしろこれからもずっと現れないと考えているのではないでしょうか。
お互いを深く信頼し合えていたにも関わらず、今となってはもう他人同然の2人。
どうしてこうなってしまったのかという、主人公の心が聞こえてきそうな歌詞です。
後悔と未練の先へ
神様を呪う
どこで何をしてるの?
分からないのは
僕のせいなんだね
永遠にこんな日がくるなんて
神様イタズラなら
呪いたいぐらい
出典: オーケストラ/作詞:松隈ケンタ,JxSxK 作曲:松隈ケンタ
そんな戻ってこない時間への後悔を重ねながら、主人公は自分が原因で別れることになったと考えているようです。
付き合っている時には考えもしなかった別れ。
相手が遠くへ行ってしまうことなんて、予想だにしていませんでした。
神様を呪ってしまいたいと主人公がいっているのは、そうすることで後悔を軽くしたいという気持ちがあるのではないでしょうか。
運命のいたずらだと思うことで、責任転嫁をして深い悲しみを紛らわせているのでしょう。
時間の流れがどれだけ残酷なものか伝わってくる歌詞です。
どんな時間もいつかは終わってしまう。
そう考えるととても切ないですね。
「オーケストラ」に込められた想い
その手と手繋いで
笑いあった声 忘れはしないよ
こんなにも流してた涙も
語る声もオーケストラ
やがて訪れたよね
さよならの声 忘れはしないよ
あんなにも近くにいたはずが
今では繋がりなんてあの空だけ
出典: オーケストラ/作詞:松隈ケンタ,JxSxK 作曲:松隈ケンタ
サビの歌詞です。
前半の歌詞からは、「付き合っていたときの楽しかった思い出や辛かった思い出、全部忘れないよ」という気持ちを感じます。
後半の歌詞は、「そんな楽しい付き合いにも別れの日がやって来てしまった。
近くで繋がっていた特別な相手とは、今は何の繋がりもないただ同じ空の下にいる関係」という解釈が出来そうです。
歌詞を見てくると、この曲は「別れ」をテーマにした曲だということがわかりました。
大好きな相手に未練が残っている人の気持ちを歌った曲。
壮大なサウンドと合わせて聴くと、その切なさが一層際立ちます。
主人公は大切な人との昔の思い出を思い出して懐かしんでいるのでしょう。
走馬灯のように、2人で過ごした時間の記憶が頭の中を駆け巡る。
今ではその思い出たちがまるで「オーケストラ」のように胸で鳴り響いているのでしょう。
しかしその記憶の終点にあるのは、恋人との別れの記憶。
今では遠い存在になってしまった相手のことを、主人公は今でも心の中で想っているのではないでしょうか。
もう会えないということが未だに彼女の心を切なくさせています。
「オーケストラ」の動画はこちら!
公式PV
「オーケストラ」の公式PV。
見てみると、このPVは女同士の禁断の恋を描いた作品だということがわかります。
同性同士の恋愛ということで、公表できずひっそりと愛を愛を育む2人。
しかし、そんな2人に突然別れの時が訪れてしまいます。
歌詞の通りのシチュエーションですね。
最後に2人で見つめ合うシーンはなんとも言えない感情になります。
PVとは思えない、非常にドラマティックな映像作品となっています。是非ご覧ください。
その物語の間には、BiSHのメンバーによるダンスシーンも入っています。
懸命な彼女たちのパフォーマンスと、物語が交差することでPVに重厚さが生まれているのが感じられるでしょう。
まるで2人の心の中を描いたかのような、騒がしくも美しいパフォーマンスシーン。
2人のクライマックスに向けて、熱を帯びていく様は圧巻です。
PVの出演者は?
さて、PVを見ていて、主演を飾った2人の女性が誰なのか気になりませんでしたか?
実際、このPVが公開されたときは、ネット上で非常に話題になったものです。
このPVに出演しているのは、雑誌『NYLON』のレギュラーモデルを務める涼海花音と、「りーめろ先輩」の愛称でタレント活動をしている莉音の2人です。
2人ともまだ若いですが、このPVではとても良い演技をしていますね。
この2人からも目が離せません。