目まぐるしく変わり過ぎてゆく日々の中では
あたしを思う時間も惜しいですか?
どうしてその心 満たしているのはいつも
あたしでは無いのだろう
貴方は今どこにいるの?
もう見えなくなってしまった
出典: 18歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
電話にすら応じてくれない「貴方」。
それに対して主人公は1〜2文に描かれているような不満を持ちます。
きっと「貴方」は新たな場所での生活を楽しんでいるのです。
主人公がいなくても充実している生活が想像できるのではないでしょうか。
また3文目に「いつも」というフレーズがあることから、以前から「貴方」の生活の中心は恋愛ではないことがわかります。
それが主人公は悲しくて、寂しくて仕方がないのでしょう。
5文目は「あたしのことを好きだった貴方はどこにいるの?」という意味だと推測します。
以前までは一緒にいることで、「貴方」が自分のことをちゃんと好きだと実感することができた主人公。
今は離れているからそれすらも叶いません。
泣いていることを知ってほしい
行きたいわ 泣いてるわ
この涙届けたい
貴方しかいらないわ
会いたいわ
出典: 18歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
「貴方」に会い、今すぐ愛情を確かめたい主人公。
けれど若いからこそ簡単に「貴方」の元に飛んで行くことはできません。
それに、会いに行ったところで「貴方」が喜んでくれなかったらどうしようという不安もあります。
ただ「貴方」に知ってほしいのは、泣いているということ。
それほどまでに自分が「貴方」のことを想っているのだとわかってほしいのです。
それを知った「貴方」は再びあたしのことを好きになってくれるのではないか。
自分の元に会いに来てくれるのではないか…。
そんな風に主人公は毎日毎日考えます。
けれど、実際には嫌われたくなくて「貴方」に伝えることはできないのでしょう。
ただ1つの願い
会いたいとも思ってくれない「貴方」に不満を持ち始めた主人公。
それでもなお、「貴方」に気持ちをぶつけられない主人公は今何を願うのでしょうか?
主人公が持つたった1つの願いに注目です。
ただ「会いたい」
会いたいわ 泣いてるわ
この姿見せたい
そんなに強くはないわ
どうか気づいて
会いたいわ 会えないわ
この距離がもどかしい
ただ貴方に触れたいわ
会いたいわ
会いたいわ
出典: 18歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
「貴方」のことを考えると苦しくて、涙が出て、不安で…。
そんな恋ならいっそやめてしまえばいいのに、と思う人もいるでしょう。
けれど、主人公にとってはそんなに簡単なことではありません。
どんなに苦しくても諦めきれないほどに「貴方」に恋をしているのです。
主人公と「貴方」は恋人同士ですが、まるで主人公の片想いのよう…。
「貴方」は主人公のことが嫌いになったわけではないのです。
3文目に描かれているように「貴方」は自分がいなくても、主人公は平気だと思っているのでしょう。
それに対して、主人公はただ「貴方に会いたい」と願っているのです。
側からみていると2人のすれ違いがとても切なく感じられるのではないでしょうか。
そして、シンプルに「会いたい」と伝えられない主人公の不器用さにもどかしさを感じてしまいます。
まとめ
互いを尊重し合えるほど大人でもなく、気持ちをまっすぐに伝えられるほど子供でもない…。
この曲は、そんな微妙な年頃の恋愛模様を私たちに見せてくれました。
主人公と「貴方」の今後がどうなっていくのか、歌詞からは想像できません。
「貴方」が主人公の気持ちに気づいて会いに来てくれるのか。
もしくは、別れるという選択をしてしまうのか…。
どちらにせよ、この恋を通して主人公も「貴方」も大人になっていくのでしょう。
最後に関連記事をご紹介します。
【○○歳の唄】シリーズ第1作目
まず最初は、シリーズ第1作目【17歳の唄】の歌詞考察記事です。
17歳はちょうど高校を卒業する頃。
大学生になる人もいれば社会人になる人もいて、多くの人が親から自立をする時期でしょう。
まだ10代ではありますが、大人扱いされることが増えます。
この楽曲では、そんな風に周りから大人だと言われ、不安になった心情を歌った作品。
どうすれば強くなれるのか。正しさとは一体何なのか。
今まで考えることもなかった疑問に直面した時、主人公は何を思うのでしょうか。
大人も考えさせられる歌詞に注目です。
阿部真央【17歳の唄】歌詞の意味を考察!押し寄せる不安はどうすれば消える?これが大人になるってこと? - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
デビューから10年目を迎える、ティーンの代弁者・阿部真央。今回はデビューアルバム「ふりぃ」から【17歳の唄】をご紹介します。子供の世界から、一歩大人の世界へと踏み出す17歳の若者たち。正しさとは?強くなるとは?そんな疑問を抱え、不安になっているあなたへ聴いてほしい一曲です。