止まってしまった二人の時間

「君」は戻ってくるのか

ねぇ 君は 愛の続きを
ねぇ 誰と してる?

出典: ひとりぼっちのハブラシ/作詞:つんく 作曲:つんく

 「君」が「俺」の元へ戻ってくるためには、理解し合おうとすることが不可欠だったはずです。

そうすればきっと、未来を2人でつむぐことができたでしょう。

けれどもはや相手には声すら届かない状況です。

何度呼びかけても、届いてほしい相手には伝わらない。

そんな様子が切なく歌い上げられ、曲は終わります。

未来は続かない

それでも「俺」の生活は続き、ハブラシはだんだんくたびれていきます。

けれど「君」のハブラシは使われていないため、状態は変わりません。

「あの日」で止まってしまった2人の時間、そして日常を象徴するかのように。

ハブラシを目にすることで、「俺」は毎日のように後悔の念におそわれてしまうのでしょう。

そんな情景が、この曲の切ない雰囲気をより深く印象づけます。

誰もが求めるもの

心の叫びが歌になる

Woh ハブラシは俺のだけが
傷んでゆく なぜなんだ Oh Baby

出典: ひとりぼっちのハブラシ/作詞:つんく 作曲:つんく

最後のサビは、繊細ながら強いシャウトとともに歌われます。

相手を求める狂おしいほどの気持ちを代弁しているかのようです。

それは言葉は少なに背中で語るようなステレオタイプな男性のイメージとは違うものでしょう。

けれどそんなストレートな表出が、ドラマを超えて多くの人々の胸を打っている。

それはきっと、多くの人がこの曲を通して実感しているからかもしれません。

気持ちをきちんと開示して理解し合うことの大切さを。

伝えれば、未来はつながる

実生活の中では、この歌詞のように強い気持ちを表すことは難しいかもしれません。

曲の中の「俺」のような口下手なタイプの男性には、特に。

けれどその情景は曲になったことで、彼のような人の心にも届いたでしょう。

そして、相手に気持ちを伝える一助になったのではないでしょうか。

そういった意味では、新しい男性像を提示した1曲とも言えるかもしれませんね。

長瀬智也さんは桜庭裕一郎のように、自身でも作詞作曲を行っています。

彼自身の言葉を味わってみたい方はこちらもどうぞ。

2013年リリースの46枚目シングル「リリック」は長瀬智也主演の「泣くな、はらちゃん」の主題歌でした。また、この曲はTOKIOにとってある”転機”となる曲でもあったのです。長瀬がこの歌詞に、この歌に込めた思いは?読み解いてみました。

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