Acid Black Cherry 2nd album「Q.E.D.」

Acid Black Cherry/cord name 【JUSTICE】歌詞の意味を徹底考察!の画像

Janne Da Arcというビジュアル系バンドのボーカルとしてデビューしたyasuさん。

Janne Da Arcの活動休止後、Acid Black Cherryの名でソロ活動を始めました。

今回ご紹介するのは、そんなyasuさんが2009年にリリースしたアルバムに収録されている楽曲です。

『cord name 【JUSTICE】』のテーマは?

今回歌詞を解説していくのは、アルバム2曲目に収録された『cord name 【JUSTICE】』という楽曲

マイナーコードで進行し、全体的に重々しく激しい雰囲気をまとっていることが特徴です。

この楽曲が歌っているのは楽曲タイトルにもある通り、人の「正義感」。

正義とは一体何なのでしょう。これをご覧の皆さんは、どう思いますか?

人によって捉え方が違うこの概念を主人公が一体どう捉えているのか、歌詞とともに見ていきましょう。

わたしの名前は

主人公は、誰もが持っているあの感情

法を犯した奴等に告ぐ My name is a “JUSTICE”
罪人はすべて排除する 崇高なるこの権力で
強姦 売春 薬物 偽装 詐欺 賭博 公然猥褻
傷害 収賄 恐喝 窃盗 賄賂 次第で目を閉じよう…I’m not a “FAKE”!

出典: cord name 【JUSTICE】/作詞:林保徳 作曲:林保徳

この楽曲の主人公は一体誰なのでしょう。

自分自身のことを「JUSTICE」、つまり正義であるといっています。

正義という言葉を聞くと、なんだか難しそうで抽象的にも聞こえますね。

2行目にある通り、自分自身が所持する正義の権力を持って、全ての悪を取り除こうとしています。

そして何より、主人公自身が正義を「崇高なもの」だと言っているくらいです。

主人公の信念の固さ、正義に対する絶対的な信頼感などを感じることができます。

そして3行目から4行目にかけて、主人公が取り除こうとしている悪事の数々が並べられていますね。

確かにわたしたちが見ただけでも、これらが悪だということは判断できます。

さて、主人公はここから、どのような正義の形でこれらの悪を排除していくのでしょうか。

正義の使命とは

拘束した容疑者に告ぐ My name is a “JUSTICE”
捕らえた以上は裁きを下す それがこの私の使命
真実だけをここに誓え 法は何人にも平等
証言 証明 すべて却下 証拠不十分“有罪”に処す…I’m not a “FAKE”!

出典: cord name 【JUSTICE】/作詞:林保徳 作曲:林保徳

主人公は引き続き、自身の正義を振りかざし続けています。

ここでは実際に悪事を働き、捕らえられた容疑者に向けて正義を語っているのでしょう。

2行目、主人公は正義のもと悪人を取り除くだけでなく、正しい裁きを与えることも使命としています。

そんな悪人を裁くのは、主人公の正義感だけではありません。

3行目にもある通り、全ての人たちに平等に適用される、法を持った裁きを望んでいるのです。

主人公の個人的な感覚だけでなく、きちんと根拠があって裁くのであれば安心ですね。

しかし実際はそう簡単な話ではないようで…。

4行目では、主人公の正義にちょっとした恐怖や疑心が生まれるかもしれません。

というのも、主人公は捕らえられた悪人を全て有罪にするつもりでいるからです。

歌詞にある通り、容疑者の言い分は受け入れる気がありません。

罪人の言い分はすべて嘘だと考えているのかもしれませんね。また、証拠さえも受け入れないという徹底ぶり。

自分自身の正義だけを信じ、その正義だけで罪人を裁こうとしています。

暴走をはじめる正義

見え隠れする主人公の本音

Fake! 手間取らせるんじゃねぇ!
Break! ほら早く吐いてしまえ!
Crash! 「僕が犯りました」そう言って楽になれ!
Fake! You did it? Hey! You did it!
Break! I don’t want to hear your excuse!
Crash! The truth means nothing.
Don’t complain about it!

出典: cord name 【JUSTICE】/作詞:林保徳 作曲:林保徳

 (和訳)

お前がやったんだろ?おい!お前がやったんだろ!

お前の言い訳なんて聞きたくないよ

真実は何の意味も持たない

文句なんて言うな

主人公の尋問が始まりました。

主人公は相手が完全に悪だと思い込んでいるようです。

というよりも、相手を悪人に仕立て上げたいという気持ちもあるのかもしれません。

前半3行の歌詞を見てもわかる通り、厳しい言葉で相手を追い詰めています。

自分は正義のもとで裁きを下す。そう信じ込んでいる主人公は、相手の言い分を聞く耳など持っていません。

これはもはや誘導尋問です。後半の英詞部分でも、鋭い言葉が続きます。

相手に無理やり自白させようと脅しをかける、主人公のセリフが並んでいるのです。