サカナクション【М】歌詞の意味を徹底考察!淡い夢の終わりに何が待つ?主人公が流した涙の理由に迫る!の画像

浜辺 人の夢
浜辺 鳥の夢
いつか忘れられたとして

出典: М/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

この部分で思いが通じ合ったのは主人公とカモメだったことがわかります。

日没間近というタイミングは、昼と夜が溶け合うような不思議な時間。

そうイメージすると、言語が違う相手でも思いを共有することはできるかもしれません。

集団から外れる孤独については、太陽という大先輩のアシストがあります。

人間も動物も太陽なしでは生きられませんが、常に感謝を捧げるほどには意識を向けていないものです。

ほとんど無意識

同じように、主人公とカモメが共有した思いや存在も忘却の彼方に消える。

主人公はこうしたことを考えているのではないでしょうか。

サビの歌詞!淡い夢の終わりに待つものとは

主人公が流した涙の理由

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行かないで 淋しい日暮れに涙
行かないで 淡い空 見ながら涙

出典: М/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

サビのボーカルはベース草刈愛美さんとキーボードの岡崎英美さんです。

孤独の大先輩、太陽がいよいよ水平線に沈もうとしているのでしょうか。

あるいはひとりぼっちの悲しさを共有したはずのカモメがどこかへ行こうとしているのかもしれません。

そもそも主人公は誰かと別れてビーチにひとりでいた可能性もあります。

失恋のほか、仲間との人間関係に疲れたというストーリーも想像可能です。

そのほか主人公には鳥と通じ合うような、果てしない空にも似た希望があるとも考えられます。

その希望とは音楽

人間の言葉ではなく、鳴き声という音で鳥と意識を共有したイメージです。

音楽制作という孤独な作業の合間に、集団から外れがちな鳥と通じ合うものがあったのではないでしょうか。

しかし、せっかく通じ合ったと思ってもその瞬間はすぐに過ぎていきます。

ロックやテクノといったマイノリティ(少数派)の音楽を生み出す孤独感

昼と夜の狭間の中間色にも、メインストリーム(主流)から外れた悲しさが漂います。

幅広い意味に解釈できる歌詞ですが、サカナクションというバンドの背景を踏まえると音楽制作の孤独

そう解釈することもできそうです。

沈む太陽と孤独な鳥に触発されて、エモーショナルに泣いたのでしょう。

あるいはサビだけ女性ボーカルということで、主人公や視点が変わっている可能性も考えられます。

多様性のある音楽

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行かないで 悲しい日暮れに涙
行かないで
淡い夢の終わりが見たいから

出典: М/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

男性主人公のままだとすると「中間色に染まる希望」の結末が知りたい。

そのため太陽に「沈まないで」と語りかけていることになります。

しかし女性ボーカルに変わっているので、太陽が人間に語りかけていると解釈することも可能です。

いずれにしても「中間色に染まる希望」とはロックと文学、あるいはロックとテクノの融合かもしれません。

J-POP原色のメインストリームとすると、ロックやテクノは中間色のマイノリティと解釈できそうです。

J-POP、ロック、テクノ、文学。

ロック(音楽性)とフォーク(文学性)という考え方もできます。

これらが混在する状態を「淡い夢」と表現しているのではないでしょうか。

つまりサカナクション音楽性

その結末とは、音楽性が実を結ぶことを意味していると考えられます。

昼か夜か、はっきり別れるのではなく、夕方のままの結末が知りたい。

サカナクションらしい多様性のある音楽のままで幅広く受け入れられることを願っていると解釈しました。

そうすると「淡い夢」の終わりに待つものとは、サカナクションらしい多様性のある音楽になります。

2番の歌詞を見よう!

目や耳のある太陽?

サカナクション【М】歌詞の意味を徹底考察!淡い夢の終わりに何が待つ?主人公が流した涙の理由に迫る!の画像

夕焼けは気づいた
五時の鐘を聴きあたりを見渡す
あの子は消えた
いつも通りに消えた

夕焼けは気づいた
五時の鐘を聴きあたりを見渡す
カモメも消えた
いつも通りに消えた

出典: М/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

ボーカルは山口一郎さん。

これまでも太陽は擬人化されていましたが、ここにきてはっきり意識をもつ存在になりました。

水平線に沈むにはまだ余裕がある頃。

夕方のチャイムを聞き、黒髪の子どもや鳥がいなくなったことを認識し、どこへ行ったのかと探しています。

太陽には目や耳があるの?

そう驚かされます。

主人公が太陽になった体(てい)で気持ちを代弁しているかたちでしょう。

太陽と一体化する主人公。

そう解釈することもできます。

■市町村防災行政無線
時報 - 名目上は試験放送

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/市町村防災行政無線

ちなみに夕方のチャイムは市町村防災行政無線の時報で、動作確認のために行われているそうです。

この音をきっかけに人間や動物が存在しなくなることを太陽が見ている

これは悠久の時の流れのなかで、忘却の彼方に消える存在を表していると解釈できます。

夕方のチャイムをきっかけに、138億年の歴史をもつ宇宙全体にまで想像が膨らむのではないでしょうか。

人間を含む動物は肉体が滅びると土や石になり、大地の一部としてやがて星と同化するのかもしれません。

逆に、星のかけらのような素粒子の塊が動物という考え方もできます。

太陽という星より、寿命の短い動物。

主人公は限りある命について思いを馳せているようです。

太陽の視点に立つ