君ときっと会うと思ってたんだ
声を振り絞ってたまに確かめあって
四角い心は丸くなっていって
君の隙間に入れる気がしたんだ
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
ここまでは、人間の成長を描いてきたような雰囲気を醸し出す歌詞でした。
ここからは、主人公と「君」という存在を軸として進んでいきます。
ここで指す「君」というのはその前後の歌詞から「運命の相手」と解釈できるでしょう。
2〜3行目で描かれているのは、2人の距離が縮まる様子。
角ばっていた心の角が取れて、互いが互いを信用し合うようになります。
きっと2人が信頼し合うようになるまでの交流を描いているのでしょう。
そして、4行目の歌詞がこのパートの肝となっています。
「やどりぎ」というタイトルに関する意味の1つがここで回収されているのです。
「隙間」という言葉は、恐らく心の隙間でしょう。
ヤドリギのように、恋人に宿り生きる。
そんな状態を表しているのではないでしょうか。
サビ(1番)
想像を超えた僕らは
感情のまま身勝手さ
相反してしまった僕らと
一生付き合ってくんだろ
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
ここからサビのパートになっています。
1〜2行目で登場する、「想像」と「感情」という2つの言葉の対比。
何かを行う際に、どうなるかを想定して行うのが「想像」。
そう考えると「感情」はそれをしないままに突き進むことでしょう。
気の向くままに行動している様子が窺えます。
そして、3〜4行目では、対立構造が描かれているのです。
これはきっと、歌詞の主人公と「君」の2人の対立のことでしょう。
ヤドリギのようにはなれなかった2人。
2人は平行線のまま、日常を送っていきます。
二人が嫌になっては
独りが嫌になってさ
矛盾した衝動は
僕を育てるのかな
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
このパートでは、2つの異なる気持ちの間で揺れ動く様子が表現されているようです。
2人であることで生まれる苦しみ。
そして1人でいることで生まれる寂しさという2つの気持ち。
これを天秤にかけても、どちらを選ぶべきか分からないのでしょう。
悩んでいる様子が分かります。
その2つによって精神的な成長を望んでいるのでしょうか。
しかし、それについても疑問を持っているようです。
2番
2人が出会わなかった世界
このまま僕ら 交わらないまま
死んでしまうとしても 別に他人同士の
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
主人公は、2人が出会わなかった時のことを考えています。
言葉の節々から伝わることは、「それでも良い」という諦めに近い感情でしょう。
今までの歌詞から鑑みると、少々投げやりな印象を受けます。
そんな世界の速さに おいてけぼりの
少年の声すら 届きはしないならば
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
1行目では、刻々と変化する世界の状況のことを考えているようです。
そして、2行目で描かれているのは、そんな世界の変化から取り残された少年。
既に世界から遠く離され、彼の声は届きません。
主人公の心の扉
僕は心にずっと鍵をかけてたんだ
開かないままになった扉の前に立って
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
この歌詞から分かるのは、前述の少年が歌詞中の「僕」を意味しているのではないかということ。
声が届かずにいたのは、彼が心を閉ざしていたからでした。
元から彼は変化し続ける世界についていく気はなかったのでしょう。
立ち止まっていられなくなるくらいに
君との出会いが全てを変えてしまった
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve