スピードと摩擦
「スピードと摩擦」は、アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」の主題歌として注目された曲です。
ひたすら文学的で意味深な表現が続くのに合わせて、どこかホラーチックなMVがくり広げられます。
キャッチーなメロディの中にもamazarashiの難解な一面が表れた曲です。
体内に発車の汽笛 血液は逃避の路線 旅立っては近づいて 離れてくのはどうして?
苛立ちは尚叫んで ひび割れた今日の風景 地表にうがつささくれ 二月は無垢な難破船
出典: http://j-lyric.net/artist/a052b38/l037132.html
なんとなく体の中から湧き上がる衝動的なものが「船」として表現されているのが分かります。
船での旅は天候に大きく左右され、嵐で波が高い時は激しく揺れるし、風が穏やかな日は船旅も穏やかなものです。
主題歌となっている「乱歩奇譚 Game of Laplace」は殺人などや怪事件を題材にしているお話です。
そのため犯人の衝動的な感情や人並み外れた思考力をもつ主人公の生き方などを船旅として表現しているのではないでしょうか。
ラブソング
「ラブソング」は、6枚目のミニアルバム「ラブソング」の表題曲です。
歌詞ではひとつの物語を見ているような、退廃的な世界が描かれます。
サビで言葉の羅列によって無機質で不穏な雰囲気が作り出される様は、まさに「詩」と呼ぶにふさわしい表現方法です。
シリアスなメロディ、文学的な歌詞、鬼気迫るサウンドと、amazarashiらしさのつまった一曲です。
ATM 電気椅子 ストレルカとベルカ 紙幣と硬貨
愛こそ全て
再来世と来世 社会性 人の指の首飾り 花飾り
愛こそ全て 信じ給え
出典: http://j-lyric.net/artist/a052b38/l028ff9.html
歌詞1行目のカタカナ部分、これは宇宙飛行をして無事生還してきた2匹の犬の名前になります。
その他にも似ているようで違う言葉が2つ1ペアで並べられている歌詞です。
どちらが劣っているというのでもなく、ただただ同じような意味合いがあったり、全く逆の意味合いだったり…。
陰陽説のような陰と陽の関係性を表して、男女を表現しているという解釈もできます。
はたまた、ただただ言葉を並べてamazarashi特有の世界観を出したかったのかもしれません。
古いSF映画
「古いSF映画」は、amazarashi初のフルアルバム「千年幸福論」の収録曲です。
ミドルテンポで優しい曲調が印象的なこの曲は、激しくメッセージを訴えるものが多いamazarashiの曲の中で心が休まるような存在です。
僕らが信じる真実は 誰かの創作かもしれない
僕らが見てるこの世界は 誰かの悪意かもしれない
人が人である理由が 人の中にしかないのなら
明け渡してはいけない場所 それを心と呼ぶんでしょ
出典: http://j-lyric.net/artist/a052b38/l026dfb.html
自分がみている世界が必ずしも正しいとは限らない。
上記の歌詞をみると自分の見ている世界やものの考え方に少し疑問を覚えてしまいます。
何が正しくて何が間違いなのか。
しかし真相や正しさなんて、誰にも分かるはずがありません。
それなら、少しでも自分が自信をもって信じられる方へ目を向けたいと思うでしょう。
誰かがこう言っていたから。
そんな他人任せな考え方をしていて良いのでしょうか。
自分で見て聞いて感じたものを信じていきたくありませんか。
そんなや優しくも、問いかけるような楽曲になっています。