お母さんの懐に包まれたような安心感…
透明感あふれる歌声が特徴的な土岐麻子さん。
とくに9枚目のアルバム「SAFARI」に収録されている「名前」は、母性を感じる名曲です。
ピアノの音色と土岐麻子さんの歌声が紡ぎ出す、ゆったりとしたリズム……。
赤ちゃんに戻ってお母さんに抱っこされたかのような安心感を覚えます。
いや、もっと遡り、まだ見ぬお母さんの子守歌を聴いている胎児みたいな感覚でしょうか。
あなたも「名前」を聴いて、圧倒的な安心感に包まれ、日々の疲れを癒しましょう。
曽我部恵一が監督したMVを見てみよう♪
土岐麻子さん「名前」のMVはこちら。
浮遊感のあるMVですね。ボートに乗った土岐麻子さんが水辺にゆらゆら揺れています。
実際の記憶はなくても、なんとなく羊水に浮かぶ胎児のような感覚を覚えませんか?
監督を務めた曽我部恵一さんが表現したのは「青の世界」。霧が立ち込め、幻想的な雰囲気です。
なぜ曽我部恵一が監督?
MVの監督といえば、映像作家が務めるのが一般的でしょう。
ところが土岐麻子さん「名前」のMVはサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんが監督です。
2人は「ぷらすと」(現「ぷらすと×Paravi」)というエンタメ動画配信番組でMCとして共演。
その縁で、土岐麻子さんが曽我部恵一さんに監督を依頼したそうです。
曽我部恵一さんは「魔法」というサニーデイ・サービスのシングルでもMV監督を務めています。
「魔法」はサニーデイ・サービスが2000年にいったん解散した際のラストシングル。
こちらも名曲ですね。
歌詞の意味を紐解く!
曽我部恵一さん監督のMVや土岐麻子さんの歌声から「母性を感じる」ことはできたでしょう。
では、なぜ「名前」というタイトルになっているでしょうか?
このタイトルの意味を知るためにも、歌詞に込められた詩的で美しい世界観を解釈していきます。
童話の世界?
川を照らす三日月
揺れる バナナの舟
飛び込んで
砂に沈む 星座を
拾いにいこう
出典: 名前/作詞:土岐麻子 作曲:トオミヨウ
「名前」の歌詞は、童話の世界のような情景描写から始まります。
黄色い三日月が川面に映って、まるでバナナの舟みたいに見える……ということですね。
大人が忘れがちな純真な子供の目線へと一気に引き込まれます。
MVで土岐麻子さんがボートに乗っていたのは、ここからイメージされたものでしょう。
続く歌詞から想像されるのは広大な砂漠の夜……ですが、砂漠に川はなさそうですね。
それでも絵本に出てきそうな幻想的で美しい風景が思い浮かびます。
おとぎの世界へ入り込みましょう!と誘われている感じです。