「the Sun」自らの分身を表したようなアルバムタイトルは?

【the Sun】(Brian the Sun)アルバム収録曲を全曲解説!心に刺さる歌詞と共に紹介の画像

今回紹介するのは2018年1月10日にリリースされたBrian the Sunの2ndアルバム「the Sun」。

アルバムタイトルにバンド名を入れたそれは、自らの分身を表しているかのよう。

彼らがこうしたタイトルの作品をリリースするのは実は2回目なんです。

一枚目は2014年、彼らがまだインディーズだった頃にリリースされた「Brian the Sun」。

時おり自分たちの足跡を振り返るかのごとく、彼らは分身を表すような作品をリリースします。

今作もそんな彼らにとってターニングポイントとなるような作品となっているのでしょうか?

アルバム全体を通したMVを公開!

1月25日には、なんと楽曲ではなくアルバムを通してのMVが公開されました!

ドラマ仕立てのストーリーが展開される中、楽曲を一部ずつつまみ食い出来るようなその内容。

アルバムのダイジェストでここまで込み入ったMVというのも珍しいですね。

映像の中では女優の白石聖が眩しすぎる女の子を演じます。

いや、ほんとに眩しすぎるんですよ。(笑)

眩しすぎるの意味もご理解いただけたところで、ここからがこの記事の本題。

アルバム収録の全11曲を楽曲歌詞から余すところなくレビューしていきます!

01.The World

勢いよく繰り返されるバンドのキメと、Vo,Gt森良太のファンキーに崩した歌いまわしが耳を惹く冒頭部分。

1曲目に相応しくアルバムタイトル通りに、ギラギラと照り付ける太陽のような音像が体現されています。

それに対して軽快なリズムの中歌われるサビは涼しげな印象。

例えるなら「日差しの中を爽やかに駆け抜ける」そんなイメージでしょうか。

楽曲後半には楽器隊3人のソロが順に登場し、オープニング曲を華々しく飾ります。

総じてBrian The Sunの自己紹介のような、そんな楽曲です。

誰しも自分にしかないものを持っている

いつから僕ら忘れてしまったんだ
誰かの中に答えはないんだって
自分で進んで深く傷ついたとして
そうやって生きてきた君の言葉だったら
聞きたいのさ 美しいだろうから
世界がまた 輝きだす

出典: The World/作詞:森良太 作曲:森良太

どんなに良いことをたくさん語っても、それが人の受け売りだとなんとなく薄っぺらく伝わってしまうもの。

対して自分の経験から話す言葉というのは、どんなに表現が稚拙でも価値があるものです。

それはその人にしか表現出来ない言葉だから。

自分と全く同じ経験をして来た人など一人も居ないのです。

自分にしか見られない世界を今自分たちは見ているんだな…という想いが「The World」の表すところなのでしょう。

02.Sunny side up from your heaven’s kitchen

跳ねたリズムに弾むピアノ、いつものロックな音色ながらどこかおどけたようなギターのフレーズ。

穏やかに歌われる森の歌声がそれらと合わさって牧歌的な印象を湛えます。

サビでは雰囲気はそのままにセンチメンタルなメロディを展開。

例えるなら甘さと可愛らしさを持ったお菓子のようなイメージの1曲となっています。

また曲後半のギターソロとリズム隊の複雑なアプローチが絡む場面にも注目です。

なかなかストレートには曲を終わらせない、バンドの遊び心が垣間見えますよ。

三日経ったら彼女は居なくなってしまう?

届かなくても触れなくても
聞こえなくても感じなくても
三度目の朝 滲む景色に
明日の夢を思い出せたら
いつまでも君のこと 覚えてるよ

Sunny 君はどこにいる?
ありのまま あなたでいいよ
だからHoney ずっとそばに居て
Oh, I know, You know 虜にして

出典: Sunny side up from your heaven's kitchen/作詞:森良太 作曲:森良太

冒頭部分の歌詞で、三日後にここから居なくなってしまうと約束をしていた彼女。

「三度目の朝を迎えても、ひょっとしたら彼女はまだ居るんじゃないか」という主人公の淡い期待がここに表れています。
サビでの二人の甘いやり取りは、きっと夢の中の話なのではないでしょうか。

03.ポラリス