何処からか呼ぶ声
白い影はもう追ってこなくて
とても悲しそうに消えた
錆びた匂いも煤けた黒さえも
やがて色を淡く変え
何処からか声が聞こえた様な
気がした様な 忘れた様な
螺旋階段の突き当たりには
とても小さな扉が
埃を纏い待っていた
出典: WORLD'S END UMBRELLA/作詞:ハチ 作曲:ハチ
その瞬間、恐怖や不安は消し飛びます。
扉の向こうの世界へ。
それでも何かが引き止めるような気がします。
誰かが呼ぶような声も感じます。
それはきっと今までの暮らし。
今までの価値観。
それから、扉の外から呼ぶ希望の声。
さあ、扉は開かれます。
青い空、そして花束……
そこには何もかもがある様に見えた
色とりどりに咲いた花 深い青空
滲んだ世界に二人きり
もう何もいらないわ
絵本の中 とじ込んだ空を
在るべき場所に返した 忘れない様に
君がくれた 拙い花束を
笑いながら そっと肩を寄せた
世界の最後に傘を差す
ずっとこんな世界ならば よかったのに
悲しくないわ 君の側で...
花の咲いたその傘の上には
とても幸せそうな顔で
小さく眠る二人がいた
出典: WORLD'S END UMBRELLA/作詞:ハチ 作曲:ハチ
絵本の中でしか見ることなかった青空や太陽。
そして咲き乱れる花。
こんな極彩色の世界は初めてだったのでしょう。
感動して、涙で風景が滲みます。
初めての花束。
降り注ぐあたたかな陽の光。
でも傘の外では、生きてはいけません。
それでも、こうしたことは二人にとって間違っていなかった。
後悔することなく、花の中で、眠りにつきます。
もしかしたら、永遠かもしれない眠りに。
美しくも哀しい「WORLD'S END UMBRELLA」の世界
あくまでも美しく、そして哀しいハチの世界に魅了されてしまいます。
少しのダークさを必ず感じさせるのが、ハチともいえますが、この曲はそのダークさと美しさの要素が黄金律で配合されているような、そんな印象です。
誰にも真似できない、ハチの世界。この世界が失われることなく続くことを、願いましょう。
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