2018年3月に幕張メッセで行われた「ひきこもりでもLIVEがしたい」。
『明日色ワールドエンド』発売を記念したこのイベントに声優の小野友樹がシークレットゲストとして登場。
まふまふと共に『戯曲とデフォルメ都市』と『罰ゲーム』を披露し、話題になりました。
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『戯曲とデフォルメ都市』自分で歌ってみた
前述の小野友樹のツイートにもあるとおり、まふまふの曲は歌唱が難しいといわれています。
音域の高低差が激しくアップテンポ、なかには人間が歌うようにつくられていない曲も見受けられるほど。
『戯曲とデフォルメ都市』もシンガー泣かせの曲のひとつです。
こちらを聴いてみると、音声をどう捉えているのか垣間見える気がしました。
自分の歌声もパーツとしてミックスし、全部の音が調和した状態を「ひとつの作品」としているようです。
特徴であるハイトーンボイスの美しさは残しつつ、曲やミックスによって印象がガラリと変わる。
それもまたまふまふ独自の魅力でしょう。
「自分で歌ってみた」ニコニコ動画への投稿はこちら
戯曲とデフォルメ都市@自分で歌ってみた【まふまふ】 - ニコニコ動画
戯曲とデフォルメ都市@自分で歌ってみた【まふまふ】 [歌ってみた] 「涙を拭いたら指切りしよう 過去も 痛みも 忘れるって誓おう」どうも、まふまふです。ボカ...
『戯曲とデフォルメ都市』歌詞を独自解釈
”ここではないどこか”を思わせるまふまふの歌詞。その非日常感は『戯曲とデフォルメ都市』にも漂っています。
名前も無い僕たちの背を見て嗤う
もう望まれない命だって気付いているけど
パサパサになった黒パンかじった
ざらついた暴力と果てしない雲
「呪われた命」なんてつぶやく
君が悲しそうにするんだもん ボクも同じさ
涙で溜まった泥水に映る
この空はどこへ行くのだろう
出典: 戯曲とデフォルメ都市 / 作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
おとぎ話のように紡がれる君とボクの現状。そこから感じられるのは強烈な疎外感です。
望まれない命、呪われた命……自分たちは存在してはいけないものなのだと知っているのでしょう。
寄る辺のないやるせなさが伝わってきます。
綺麗な物なんてありはしなくて
灰被って傘もさせない
もういっそ大きな間違いでも構わない
今 君の笑う顔を閉じ込めるような夜は奪おう
高架橋 雨降らす神様
白日を盗んだら
出典: 戯曲とデフォルメ都市 / 作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
君が閉じ込められている日常にボクがあらわれた。
前節の言葉はそんなシチュエーションで交わされているのかもしれません。
同じく存在してはいけない者として共鳴したボクが、君を解放しようとしている情景が浮かんできます。
間違いでもいいから行動を……勇気か期待か諦観か、どちらのなせる業でしょうか。
手を取りあって向かった先は……
鉄格子の日々を抜けたらそこには
泣き虫な君も笑わせられるような世界があった
荒唐無稽(こうとうむけい)なパレード 星界の章
大人のいない遊園ノベル
小さな肩震わせてつぶやく
夕刻を無視して 「お城へ行こう」
切り取った旋律とノクターン 分数和音
無邪気なまま 呪われたまま
出典: 戯曲とデフォルメ都市 / 作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
そこには君とボクの個性を邪魔する存在のいない、自由な世界が広がっているのでしょう。
「ノクターン」、「星界」、「夕刻」と夜をイメージする言葉が出てきました。
ふたりは夜の世界の住人になったようです(現実的には夜型人間といったところでしょうか)。
「呪われたまま」というフレーズが、この世界が泡沫の夢あり、何も変わらない現状を暗に示しているかのよう。
終わりを予感させるひとことです。