「Cubase Pro」って?
デジタルオーディオシーンで名を馳せるSteinberg社は1984年に設立されました。
その長年の経験と、音楽シーン最前線で活躍するユーザーのさまざまな要望に応えながら、DAW(デジタルオーディオワークステーション)ソフト「Cubase」は開発されました。
「Cubase(キューベース)」は、1989年に発表されて以来、音楽制作に欠かせない中心的機材として常に革新し続けています。
その特徴としては、プロ・アマチュアを問わず、世界中の音楽を愛する人からエンジニアに至るまで最先端の機能を堪能できるよう、「Cubase Pro」「Cubase Artist」「Cubase Elements」の3つのグレードからなっています。
特に「Cubase Pro」では、音楽シーンを先導するべくトップグレードのDAWソフトとして、満足ゆくまで最先端の技術を楽しむことができます。
「Cubase Pro 8.5」アップデートを進めるワケ
「Cubase Pro」は発売されて以来、幾度もアップデートされることでユーザーのインスピレーションを刺激し続けています。
特に2015年に開始された「 Cubase Pro 8.5」へのアップデートでは、数多くの新機能が搭載されたことでも話題になりました。
ここでは、8.5へのアップデートでの主だった機能について取り上げていきます。
コラボレーション機能「VST Transit」
Steinbergでは、以前から「VST Connect」と呼ばれるMIDIデータなどをリアルタイムで同期する機能を採用しています。
しかし、8.5へのアップデートで追加された「VST Transit」では、インターネット上のクラウドサーバーを通じて、複数のユーザーが楽曲データを共有することで、共同で楽曲制作を行うことが可能になります。
この「VST Transit」によって、複数のユーザーが楽曲データの録音・編集、ミックス作業をコラボレーションできるだけでなく、作業内容がリアルタイムで反映されるのでスムーズな作成に役立つでしょう。
「Retrologue 2」
Cubaseに以前から搭載されているVSTインストルメント「Retrologue」が、さらに機能を充実させ「Retrologue 2」として新しくなりました。
今回の8.5へのアップデートでは、各モジュールにさまざまな新機能が加わっています。
まず、オシレーターが1基増えたのに加え、LFOもリトリガー設定を新たに設定しています。
さらに、アルペジエイト・モードを選択できるなど人気のシンセサイズにさらに厚みが増しています。
またエフェクトにおいては、既存のモジュレーションとディレイに加え、レゾネーター、4バンドEQ、フェイザーにリバーブと大幅に拡張し、直感的な操作も行えるようになっています。
スムーズなトラック追加・外部データ読み込み
8.5へのアップデートによって、トラックを新規作成する際に出力先を選択できるようになります。
また、外部データの読み込みもシンプルになり、外部データを読み込ませなくても特定のデータだけを取り出すことができるようになります。
こうした機能は実際のところあまり目立たない改善ですが、スムーズな作業を可能にしてくれます。
打ち込みの利便性
打ち込みをよりスピーディーに行えるよう、8.5へアップデートすることで、マウスの上下動作によるベロシティ変化が可能になります。
打ち込みメインで作業を行うユーザーにとって、特に嬉しい機能とも言えるのではないでしょうか。
「Cubase Pro 8.5」のさらなるアップデート
このように2015年に開始された「Cubase Pro 8.5」へのアップデートでは、多くの方々の期待を上回るような新機能が搭載されています。
とはいえ、このアップデートに留まらず、さらに新しい機能の追加や改良が行われており、Steinbergでは常に最先端の技術を提供していることが分かります。
Cubase Pro バージョン 8.5.10
8.5で新たに搭載されたマウスオーバーコントロールに加えて、MixConsole画面などでの操作感やデザインを刷新しています。
たとえば、クイックやプリラックにおいてMixConsoleでのコンテクストメニューに「…を表示」設定を追加していたり、センドラックにおいてはターゲット名を省略せずに表示するなど、細かな改良が見られます。