楽曲について
目の前に広がる暗闇に段々と飲み込まれていく中で変化する心情が映し出されています。
当楽曲は、ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~SEASON4」の主題歌に起用されました。
そして、自身らの4週にわたって楽曲を公開するイベントの第2弾で発表。
フェスで大旋風を巻き起こすような明るくキャッチーなイメージとは打って変わっている当楽曲。
どこか不安で不気味な雰囲気を纏いながら、進んでいきます。
抽象的に綴られている歌詞を1つ1つ紐解いていきましょう。
迷宮に入り込む
最大の敵は「自分」
迷宮の中に迷い込む
最大級の欲望
めまぐるしいほどにクローズアップ
正解を求めすぎていく
無限大の闇の中
だんだん見えなくなっていく
出典: 旋律の迷宮/作詞:寺中友将 作曲:寺中友将
まず初めに、「迷宮」が何を指しているのかについて見ていきます。
そこで藻掻いている主人公は、欲に塗れており、ひたすらに正解を得ようとしています。
しかし、その迷宮は複雑極まり無く、どこからともなく、闇で包み込まれてしまう主人公。
これらのことを踏まえて考えると、「迷宮」とは、他でもなく「自分自身」だと考察出来ます。
生きる上で迫られるのは、自分自身の行動が正解か不正解のどちらかであるのかということ。
本来は、そこに優劣などなく、二元論で物事を決めてしまうこと自体がナンセンスなのです。
しかしながら、近年の集団生活や他者比較が蔓延る社会では、正解を求めずにはいられません。
主人公もまたその考え方に憑りつかれている1人。
焦燥感に駆られながらも、何かを必死に得ようとしているのでしょう。
闇に塗れた日々
繰り返す諸行無常
蔓延る光と陰達と
壮大なリズムに
飲み込まれていく
出典: 旋律の迷宮/作詞:寺中友将 作曲:寺中友将
注目すべきは、歌詞2行目に綴られているフレーズです。
光と書かれている反面で、陰には複数を彷彿させる表現がなされていることが読み取れます。
ここから分かるのは、普段生活している中で、圧倒的に良いことより悪いことの方が多いということ。
そして「リズム」とは、もともと根底に存在していた自分自身の生き方。
それが段々と闇に飲まれて変化していく様子が映し出されているのです。
旋律といって思い浮かべるのは、音楽や楽曲でもあると思います。
楽曲を通して生きる希望を持つことが出来るときもあれば、逆もしかり。
そんな迷宮を自分たちの楽曲で抜け出してほしいという意味合いも込められているのではないかと解釈します。
音に昇華させて
未来に向かって
旋律の闇を抜け出して
嘘みたいに笑う君と逃避行
出典: 旋律の迷宮/作詞:寺中友将 作曲:寺中友将
そして、自分の生きる道を「旋律」とも形容することが出来ると考えます。
続く歌詞に綴られている「君」とは、真っ暗な状況から解放された自分自身を指しているのです。
全てから解き放たれた自分は、これまでに見せることのなかった笑顔が出来るように。
一般に、「逃げる」と聞くと、マイナスなイメージを持つと思います。
しかしながら、ここで述べられている「逃避行」とは、未来に向かってアクセル全開のイメージ。
迷宮からどう抜け出していくのか、についてはこの先の歌詞で明らかになっていきます。
複雑な想いをゼロに
曖昧な謎解き明かして
五線紙の中 全てが白と黒
今ゼロになるんだ
出典: 旋律の迷宮/作詞:寺中友将 作曲:寺中友将