ガラクタも大事なものも全部燃やす
黙って炎を眺めていた 次第に騒がしくなる路上で 世界は無声映画の スローモーションみたいに滑稽に見えた
サイレンでふと我に返った 帰るべき我がある事に驚いた あぁ 僕はまだ 僕である事が許されるみたいだ
赤いランプで途切れ途切れに 照らされる隣人の狼狽 膜一枚隔てた外で この街は夏祭りの様相
薄笑いをこらえきれなくなったところで 羽交い締めにされた 僕は 僕は 必死に叫んだ 消すなそいつは僕の魂だ
出典: ワンルーム叙事詩/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
燃え上がる炎と外の喧騒は、まるで他人事のようにスローモーションに見えている。
そこには音も色もなくて、ただ部屋が燃えているという事実があるだけ。
なのに、サイレンが聞こえて我に帰るのです。
このままだとどうなってしまうのか、もしかしてこの炎が消されてしまうのではないか。
冷静に状況を見つめる僕は、我に帰れたと驚きますが、すごいことをしているという意識があるのでしょう。
外の喧騒を夏祭りのように思うのは、自分が起こした事件で誰かが喜んでいるように感じているから。
自分だけの炎が、誰かを救っているような感覚になっているから、という見方もできます。
羽交い締めにされた僕には、もう炎をコントロールすることすら難しいのに。
燃えろ 燃えろ 全部燃えろ
これまで積み上げてきたガラクタも そいつを大事にしてた僕も 奇跡にすがる浅ましさも
雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負けて
それでも 人生って奴には 負けるわけにはいかない
一人 立ち尽くす そこはまるで焼け野原
出典: ワンルーム叙事詩/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
積み上げてきたガラクタだって、本当は僕にとって大切なもので、大切だったからこそガラクタだと思ってしまうのが辛い。
大事にしていたものが崩れたとき、ガラクタだって気づいてしまったとき、人は何もかもを捨ててしまいたくなるのでしょう。
それでも、人生は続いていって、負けてばかりの僕は人生に立ち向かう必要があるのです。
新しい自分に出会うための炎
どうせ未来は 終点の袋小路 新しい自分を 見つけたいと願うなら
過去の事は燃やしてしまおうぜ 灰になるまで
燃えろ 燃えろ 全部燃えろ
古いものは全部投げ入れろ 高くそびえ立つこの炎 この先照らすかがり火としよう
雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負けて
それでも 人生って奴には 負けるわけにはいかない
出典: ワンルーム叙事詩/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
ガラクタを背負った僕も、大事にしていたものも、全部リセットしたいなら燃やすしかないのです。
全部なかったことにして、もう一度焼け野原からスタートする。
綺麗なものも、ガラクタも、一度に焼き払う炎の力を借りて。
この炎がいずれ自分の目印になると信じて、今は不要なものを燃やすだけ。
燃えろ 燃えろ 全部燃えろ
新しい自分に出会うため 溜息で吹き消すな炎 涙で失わせるな炎
雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負けて
それでも 人生って奴には 負けるわけにはいかない
一人 立ち尽くす そこはまるで 焼け野原
出典: ワンルーム叙事詩/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
新しい自分はすぐそこにある、だから燃やす。
溜息や涙で消えるような炎ではなく、自分にしか消せないような勢いのある炎で燃やし尽くす。
「ワンルーム叙事詩」という問題作は、部屋に放火するという点で問題作と言われていますが、強く生きたいからこそ火を付けた。
自分をリセットすることは誰しもやることです。
それが燃やすことなのか、心の中で終わらしてしまうことなのか。ゴールは同じでも、手法が違う。
過激な表現ではありますが、生きたいという意志を強く感じる歌詞なのではないでしょうか。
生きるために燃やす「ワンルーム叙事詩」
叙事詩は英雄詩とも呼ばれる言葉です。
自分の過去を燃やしたことで英雄と呼ばれるのか、英雄と呼ばれたいから行動に移すのか。
様々な解釈ができる歌詞だと思います。
生きたいと願う人ほど、心に刺さる歌詞なのではないでしょうか。
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