19年ぶりのシングルリリースでオリコン2位!

根強いファンが存在し続ける理由

ドキュメンタリー風のこの MV では、テレビ収録のリハーサルに臨む小沢健二本人とともに、 よゐこの有野晋哉、でんぱ組.inc の夢眠ねむ、HALCALI の HALCA などアーティストと親交の深い著名人から一般人まで、様々な人物がそれぞれの日常の中でさりげなく楽曲の一部を口ずさむ様子が垣間見られ、シングル発売後...

発売前日YouTubeにて発表され、しかも今時、ネット配信もされずCD発売のみオリコン2位という驚異的な快挙を打ち出しました。

しかも、シングルリリースは19年ぶりです。 

ニューニョークに旅立ってからは目立った音楽活動はされてこなかったにもかかわらず、根強いファンには待望の新曲リリースだったに違いありませんね。

渡米した以降は環境問題についてのフィールドワークを行なっているそうです。

19年ぶりにもかかわらず、魅了したのは昔からのファンだけではなく、小沢健二を今まであまり知らなかった人たちからも「流動体について」の曲は高評価でした。

不思議な魅力を感じる歌詞と、少しレトロ感のある曲調が聞いていて懐かしさを感じますね。そんなところが、「流動体について」の人気にも繋がったのではないでしょうか。

「流動体について」の魅力

『流動体について/小沢健二』は○○の先を歌った曲だった?!歌詞に秘められた想いを徹底解剖!の画像

流動体について / 小沢 健二 の歌詞ページです。アルバム:流動体について 作詞:小沢健二 作曲:小沢健二 歌いだし:羽田沖 街の灯が揺れる 東京に着くことが告げられると (2571978)

「流動体について」は根強いファンからだけではなく、小沢健二をあまり知らなかった人たちにも、魅せられるものがあります。

 色々な言葉で心情を例えていたり、読み解くのが難解な歌詞ではありますが、小説のような映画のような、それでいて懐かしく軽妙なサウンドです。

そんな魅力に惹きつけられる人が後を絶たなかったのでしょう。

「流動体について」を細かく解釈していこうと思います。

「流動体について」の歌詞を読み解く

「流動体について」の歌詞の中には、

平行する世界、地下鉄の地図、神の手の中、カルピスなど

美しく魅惑な言葉が出てきます。

個々で見ると何を意味しているのか、理解することが難しいですが、

前後の歌詞とつなげてイメージすると、小沢健二が歌詞に秘めた思いが見えてきます。

羽田沖から始まる、歌詞の意味

羽田沖 街の灯がゆれる

東京に着くことが告げられると

甘美な曲が流れ

僕たちは しばし窓の外を見る

出典: http://www.generic-ninja.com/entry/ryudoutai_ni_tsuite

「羽田沖」「東京に着く」などから、小沢健二がアメリカから日本に帰国した情景が描かれています。

「街の灯」から日が暮れている時間帯だと分かりますね。

またそこがノスタルジックな光景が、聞いていて思い浮かびます。

「しばし窓の外を見る」あたりも、羽田から乗った高速道路のオレンジ色の明かりを連想させます。

その時、どんな思いで「街」を眺めていたのか、想像させられます。

もしも 間違いに気がつくことがなかったのなら?

並行する世界の僕は

どこらへんで暮らしてるのかな

広げた地下鉄の地図を隅まで見てみるけど

出典: http://www.generic-ninja.com/entry/ryudoutai_ni_tsuite

「間違いに気がつくことがなかったのなら?」となっていますが、

語尾が「なかったのなら?」となっていますね。つまり昔、間違いに気がづいて今があるというニュアンスを感じさせます。

間違いに気がつくことがなく、そのまま進んでいたら、「今」はなかったのかもしれないと振り返っているようにも解釈できますね。

つまり、ここで出てくる「平行する世界」とは、「今とは違う道をそのまま歩んでいたら」、今とは違う世界(暮らし)で生きているんだろうなという、「もし〜」の世界を連想させます。

そこで「地下鉄の地図」というノスタルジーを感じさせる言葉を選ぶところに、またセンスを感じます。

今とは違う職業や仕事に就き、どう暮らしていたのだろうかと、小沢健二が想像しているのが読み取れます。

そう言った「もし」や「たられば」のような振り返りは、少なからず誰しも経験があるだけに、哀愁のようなものも感じさせつつ、テンポが良いだけに、後ろ向きではない曲になっているのもポイントです。