「孤独」を歌うアーティストの共演

さユり×MY FIRST STORYのコラボ

さユり×MY FIRST STORY【レイメイ】MVを独自解釈!アニメ「ゴールデンカムイ」OP曲の画像

シンガーソングライターさユりロックバンドMY FIRST STORYのコラボ楽曲「レイメイ」。

TVアニメ「ゴールデンカムイ 」第2期OPとして2018年12月5日に発売されました。

さユりMY FIRST STORYには、とある共通点を見つけることができます。

それは、お互いに「孤独」を歌うアーティストであること。

さユりの歌う楽曲には、暗い闇の底から鋭い眼差しで未来を見据えるような、心の叫びが感じられます。

そして、MY FIRST STORY楽曲には、必死に今をもがいて未来を掴み取ろうとする躍動が感じられるのです。

いずれも、己自身と向き合い将来を切り開こうとする「孤独」を前提としたスタンス。

それぞれの歌うテーマには近しいものがあるといえるでしょう。

また、10代から20代の若者からの支持を誇るという点も共通しているといえます。

そんなさユりとMY FIRST STORYのコラボは、素晴らしい迫力に満ちた作品です。

「ゴールデンカムイ」ってどんなアニメ?

アニメPVをチェック

YouTubeに「ゴールデンカムイ」第2期のPVが公開されています。

こちらから、アニメの世界感を存分に味わうことができるのでぜひご覧いただきたいです。

物語の舞台は北海道。

1905年の日露戦争終結後のアイヌ民族について描かれた作品です。

原作である漫画「ゴールデンカムイ」はヤングジャンプで2018年12月現在も連載中。

アイヌ文化について非常に詳しく丁寧に記載されていることから、様々な賞を受賞しています。

MY FIRST STORYのボーカルHiroも、かねてからこの漫画を愛読していたとのこと。

アニメ主題歌に相応しい、疾走感あふれる楽曲となっていますよ。

タイトル「レイメイ」とは

それぞれの向かう先

タイトル「レイメイ(=黎明)」とは「夜明け」や「新しい事柄が始まる」という意味の言葉。

さユりとMY FIRST STORY、それぞれが目指す「レイメイ(=黎明)」への道のりが描かれているのです。

 「孤独」を歌うにあたって各々、過酷な経験をしてきたはず。

そして、それを自分の中で咀嚼し、乗り越え、新しい未来への道を切り開いている…。

経験してきた事柄は違えど、どちらも「前進しよう」とするエネルギーの強いアーティスト。

アニメで描かれている戦争後の新しい時代の幕開けと、見事にマッチしたテーマとなっていますね。

CGの美しいMV

紫と赤が混ざり合う

さユりといえば2次元と3次元を融合したMVが魅力。

今回の「レイメイ」のMVでも、大迫力のCG映像が制作されました。

暗闇の中で演奏するさユりとMY FIRST STORY。

とめどなく切り替わるカメラワークが躍動感を生みますね。

さユりは紫色、Hiroは赤色でカラーが分けられて歌詞が表示されているようです。

そして、2人の声が混ざるとともに文字も2色が混ざりあって歪む…。

視覚的にも彼らの歌声のインパクトを味わうことができますね。

登場するオオカミ

MVの中で時折登場するオオカミ。

紫色の光と赤色の光を纏った2体が現れ、駆け抜けます。

実はアイヌ文化とオオカミは密接な関わりがあるのです。

MVに登場するのはかつて北海道に生息していた「エゾオオカミ」ではないかと思われます。

明治時代(1868年から1912年)の間に個体数が減り、絶滅してしまった種。

アニメの舞台が1905年の戦後であることから、時期がピタリと一致しますね。

この「エゾオオカミ」、アイヌでは古くから神秘的な存在として言い伝えられてきたのです。

「カムイ(=神様)」と呼ばれ人々と共存してきた歴史があります。

アニメ「ゴールデンカムイ」とはこの「カムイ(=神様)」に由来。

「エゾオオカミ」を始め、自然界にある多くのものに「カムイ(=神様)」が宿るとして信じられてきました。

MVではアニメにおけるアイヌ文化の世界感を意識した演出がなされているということが分かりますね。

2体の「エゾオオカミ」はさユりとHiroが「黎明」へと駆け抜ける様を表現しているのではないでしょうか。

歌詞からも意味を解釈