前に水の遣り過ぎで枯らしてしまった花が、今度はちゃんと咲きました。
日常のこんな些細な出来事に時に勇気をもらうことができます。
でもそれは夢の中の出来事。
この曲の中で「花」は主人公の日常の象徴と位置付けることができます。
水の遣り過ぎで枯らした花は、いつも考えすぎたり頑張りすぎたりする主人公の性格です。
今回ちゃんと咲いた花は、巧くいかないことばかりの日常で何かが巧くいったことを表しています。
しかし主人公は冷静に「これは夢だって気付いてる」のです。
現実の花は枯れてしまったけれど、夢の中で花はちゃんと咲きました。
理想と現実の差を主人公は痛感しています。
時計から目を背ける朝
外は雨降り模様 薄目で見た時計が止まってる
今何時かな気になったけど 目を閉じてしまった
出典: ホリデイ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
朝目が覚めると外では雨が降っていて、時計に目をやると時計が止まっていました。
雨降りは出来れば外に出たくない。しかも時計が止まっている。
主人公はどうやら今日、学校や仕事があるようです。
時間が気になりますが、目を閉じてしまいます。
少し状況が違っていても、誰しもこのような経験があるのではないでしょうか?
行かなければいけない仕事、やらなければならない課題。
時間は迫っているけれど目を背けて現実逃避したくなる時が誰にでもあります。
そんな日常が細やかに描かれています。
夢と現実の間で葛藤する朝
今日は自分で決めた「ホリデイ」
どうやらまた朝に繋がった
遅刻かも 起きなくちゃ
いいや、ホリデイ 今日は起きないぞ
夢の続き見るんだ
出典: ホリデイ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
目が覚めて少し時間が経ち、もう朝だと主人公は気付きます。
「どうやらまた朝に繋がった」という表現は朝を歓迎している雰囲気はありません。
また朝が来てしまった、という倦怠感が感じられます。
もうそろそろ「遅刻かも」という時間。
「起きなくちゃ」と思いつつなかなか布団から出られない自分との葛藤です。
そして主人公は大胆に決意します。
「今日はホリデイ」。
つまり今日はお休みだと自分で決めました。
今日は起きないで、色とりどりの花が咲いた夢の続きを見るんだと決めたのです。
さえない日常から現実逃避して夢の世界に逃げ込もうと決意しました。
「ホリデイ」に逃げ切れない「僕」
まぶたの裏で見つけた夢の世界
失敗しない花も枯れない 人生がいいな
ざまぁみろ僕は見つけたぜ まぶたの裏側で
出典: ホリデイ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
「失敗しない後悔しない人生がいいな」と思っている「僕」。
ついにそんな理想の人生を見つけることができました。
「まぶたの裏側で」というのは夢の中ということでしょう。
失敗しない、花も枯れない理想の人生がある夢の中。
そこに逃げ込んで現実から逃れようとしているのです。
夢に入り込めない「僕」
もしかしたら そろそろ玄関を
開けてなきゃ やばい頃
だけどホリデイ 僕は起きないぞ
駄目だ 眠れない
出典: ホリデイ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
布団の中で自分と葛藤している間も、刻々と時間は流れていきます。
そして「そろそろ玄関を開けてなきゃやばい頃」になってしまいました。
でも、主人公は「だけどホリデイ」と決めたのです。
意地でも「僕は起きないぞ」と息巻いています。
今日は自分で決めた「ホリデイ」。
色とりどりの花の咲く夢の続きを見るのです。
ところが、夢の続きを見ようとしても眠れません。
現実逃避して夢に逃げ込もうとしても、現実が勝ってしまいます。