サンバのリズムに情熱的な歌詞が踊る中森明菜の「ミ・アモーレ」

1985年リリースの「ミ・アモーレ」は、ブラジルのリオのカーニバルをテーマにサンバのリズムに合わせた情熱的な歌詞が話題を呼んだ中森明菜の大ヒット曲です。

この大人のサンバ歌謡曲を見事な表現力と歌唱力で歌いきった彼女の力量は、もはやアイドル歌手ではなく、1人の中森明菜という大人の歌手の存在感を圧倒的に世間に知らしめたといえます。

 

数多くの歌手にカバーされている「ミ・アモーレ」」

1985年、中森明菜「ミ・アモーレ」がリリースされて以降、その10年後の1996年に歌手の狩人がこの楽曲をカバーし、彼らのシングルとしてリリースされました。

そして、さらに8年後の2004年には、女優で歌手の片瀬那奈がこの「ミ・アモーレ」をカバーし、リリースしました。

初めてレコード大賞を受賞した「ミ・アモーレ」

リオのサンバのリズムに乗せて歌ったこの「ミ・アモーレ」は、明菜さんのデビューからたった3~4年で歌われた曲でした。たった3,4年でここまで成熟し、歌手としての成長と伸び幅が図りきれない彼女がレコード大賞を受賞したのは、もはや必然だったのかもしれません。

タイトル「ミ・アモーレ」の意味は、「私の愛は・・・」?

この曲のタイトル「ミ・アモーレ」」は、スペイン語とイタリア語が混ざった、実際には存在しない単語「Mi Amore」として発表されました。作詞家の意図としては「私の愛」英語で言うところの「my love」と表現したかったのかもしれません。

しかし、「ミ・アモーレ」」の「ミ(Mi)」はスペイン語で「私の」という所有形容詞であり、「アモーレ(amore)」はイタリア語で「愛」という意味をあらわします。そのため、何語なのか分からないと批判もあり、最終的に「ミ・アモーレ」とポルトガル語として発表したそうです。

しかし、これもポルトガル語では言葉として成立しておらず、直訳した場合「私の愛は・・・」というタイトルになるそうです。

情熱溢れる歌詞に注目!

この「ミ・アモーレ」の作詞にラテン・フュージョン音楽の大御所である松岡直也が加わったことにより、本格的なラテン系歌謡として情熱溢れる歌詞がサンバの曲調とうまくマッチし、すばらしい楽曲に仕上がっていました。

そして、この歌詞の舞台は、ブラジルのリオ・デジャネイロとなっており、明菜さんは、歌う前に一枚の写真を見せられたそうです。その写真は、そのリオのカーニバルに参加している少女をアップにしたものでした。

 

リオのカーニバルで少女が愛する人を見つけた瞬間を歌った歌詞を徹底解剖

パレードの向こうにあなたを見つけたわ
夢からさめていくように
立ち尽くす街角

出典: http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=36399

おそらく歌詞から読み解くと少女は、リオのカーニバルの中を歩いているうちに周囲のに誘われ、情熱的な空気に押されさまざまな誘惑に迷わされ、迷った挙句ついに運命の「あなた」という愛しい人を見つけるのです。

そして思わず街角で立ちすくんでしまい、その瞬間花火が空に立ち上り、サンバのリズムが周囲に刻まれ、「私が愛しているのはあなた」だという事に気付いたという内容になっています。

そして、そんな少女の気持ちになって明菜さんはこの「ミ・アモーレ」を歌っているのかもしれません。

「ミ・アモーレ」でアイドル歌手から実力派シンガーへと変化

1985年3月8日発売・11thsingle 作詞・康珍化 作編曲・松岡直也