息を止めて 耳を塞ぐ
傷付かぬよう 気付かないよう
いつか今日を忘れるなら
明日がくることに意味はあるの?
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
この曲は生きることの意味を見出せなくなってしまった人の歌です。
人は記憶を忘れて生きる生き物です。
そのようにして心のバランスをとっています。
日々をリセットして過ごす。
それならば私たちは何故生きているのでしょう。
誰にも気付かれずに何もしない、何も聞かないで日々を過ごす。
そうするしか出来ないのではないかと、この部分では書かれています。
止まらない欲望のスパイラル
いくつも手を伸ばしては
まだそれじゃ足りないと乾いた
飲み干してまた 探して
次は何を望む 終わりはない
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
ここでは人間の持つ「欲望」について書かれています。
同じことを繰り返す日々を私たちは「日常」といいます。
同じことが繰り返されると人は「退屈」してしまいます。
そう考えると「日常」は「退屈」なものになってしまうのです。
「退屈」になったら「刺激」を求めます。これが「欲望」です。
「刺激」も受け続けたら「日常」になります。
「日常」はまた「退屈」になってしまいます。
これが「欲望のスパイラル」です。
人間の尽きることがない「欲望」に「絶望」してしまっているのです。
誰もいない静かな場所で
静寂の中で 一人少しだけ
泣かせて欲しい
静かに見下ろす 錆びた月
沈む 隠れる様に 塞ぎ待つ夜を
夜を待つ
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
「欲望のスパイラル」から抜け出すためにどうすればいいか。
この部分ではその結論を「孤独」としています。
一人でいれば何も望む必要がありません。
望まなければ「刺激」を求めることもなくなります。
しかし考えてみてください。
負の連鎖から解き放たれたとしてもそこに残るもの。
それは「退屈」なのではないでしょうか。
だからこの部分では、思わず涙を流してしまったのでしょう。
「錆びた月」という表現も、ここでの気持ちをよく表していますね。
絶望の先にあるもの
止められない衝動
幾つも間違いをしては
まだ今は終われないと 嘆いた
壊してはまた 探して
次は何を望む 終わりは無い
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
ここでは「欲望」が別の視点で書かれています。
なにか間違いを犯してしまった時。
認めることが出来ずに闇雲になってしまう。
私もそういった経験を何度もしてきたのでとても共感できます。
「自分はこうありたい」と望む気持ちが強いと、このような事態に陥りがちです。
これも一つの「欲望」と言えるでしょう。
この「欲望」も繰り返してしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
時間は解決してくれない
時が経てば大丈夫だと
何故か思い込んでいた どうして
今を拒む 終わりは無い
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
これまで話してきたように、この悩みは時間が経ったところで解決はしません。
むしろ時間が経つほどに手遅れになってしまうのです。
もし手遅れのところまで来てしまった時はどうすればいいのでしょうか。
「今を拒む」しかないのです。
それはとても悲しい結論だと思います。
どういう意味かは後ほど歌詞に出てくるのでそこで説明をしましょう。
導き出した答え
静寂の中で 一人いつかただ
死なせて欲しい
乾いた目蓋を 閉じる様に
思い出を消して 塞ぎ待つ夜を
出典: ハルシオン/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN