冷静に乗り切る

慌てふためく 早く必ず
あきらめるより 交わす約束

冷静なパスワーク
いらだつディフェンダー
おとなげないプレイも
軽やかに遮断

出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi

「後悔」するほどのネガティブな状況下で、この楽曲の主人公は「あきらめること」を選びません。

歌詞で登場する「約束」は「誓い」にも似たニュアンスなのでしょう。

現状打破してみせる。

そんな覚悟が込められた歌詞なのだと思います。

そして後半では、自分の様子をスポーツに例えているのが独特。

追い詰められた状況下で、適確にパスを回すように切り抜けようとする

それに対して敵は苛立ちを見せ、強引なアプローチ仕掛けてくる。

主人公はさらにそれをサラリと受け流してみせる。

歌詞からはこのような意味合いが考えられます。

不信感から湧き上がる不安

ああもう 当然
気分 かえたい
ああ 猛烈に
楽になりたい

安心は大概 簡単ではない
運命は大体 信用できない

出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi

胸の内に湧き上がるぼんやりとした「不安」。

それを何とか振り払いたいと歌っています。

その根源にあるのは「危機察知能力の高さ」ゆえに身に着けてしまった世界への「不信感」です。

自分以外を信用することができない。

他人に自分の全てを委ねることができない。

これらは、将来起こりうる「危険性」を敏感に察知しすぎてしまう特性から生まれる思考です。

原因は恋愛

駆け引きが不安を掻き立てる

慌てふためく 口づけの段階
焦らすようなパスワーク
なにげなく遮断

自意識過剰な
冷めるような会話
あぶなげないムードも
冷静なカバー

あなたならきっと
逃げ切れるだろう
駆け引きの勝負もう
甘い罠だね

出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi

1番と似たような言葉ですが、意味合いは大きく変わります。

キスで焦らしてくる相手に対して、強制的に口を塞いでしまう…。

それを「遮断」と表現しているのではないでしょうか。

そしてここで、何に後悔しているのか明らかになります。

思うように会話が盛り上がらなくて、不安を感じているのです。

これはやはり、異性との会話のことなのでしょう。

恋愛においての「駆け引き」は相手に「不安」を煽り、依存させようとするのものがほとんど。

彼は「駆け引き」の餌食になっているのかもしれません。

不安だけど未来は明るい

Bad Timing Baby
Bad Timing いま
ある意味 いい感じ

Good Timing Homie
Good Timing いま
ある意味 こわい

明るい未来 思い描いてる
あと少しの辛抱

出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi

現状を「バッドタイミング」と表現しています。

でも、心の底から嘆いているようには感じられません。

「不安」というスリルをむしろ楽しんですらいるようです。

なぜなら、今よりも切り開けた未来を見据えているから。

「辛い今」がずっと続くとは考えていないのです。

「今」は「未来」へ向かうための通過点に過ぎないから、「不安」に囚われることはないのでしょう。

それは幻

静かに燃える 陽炎は
水面にうつる 蓮の花
泳ぎ疲れたよ今はもう
あなたのだけ
風に舞ったんだ
ついに会えず

出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi

ここでも素敵な比喩がなされています。

主人公は水の中を泳ぎながら、水面に見える「蓮の花」を目指していました。

ところが、「蓮の花」は飛んで行ってしまい、たどり着くことが叶わない…。

なぜなら「蓮の花」だと思っていたのは「陽炎(かげろう)」だったから。

ここで、「陽炎」の意味を確認してみましょう。

陽炎(かげろう、かぎろい)(heat shimmer,heat haze)とは、局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことで光が屈折し、起こる現象。
よく晴れて日射が強く、かつ風があまり強くない日に、道路のアスファルト上、自動車の屋根部分の上などに立ち昇る、もやもやとしたゆらめきのこと。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/陽炎_(気象現象)

「陽炎」は蜃気楼と似た意味合いで使われます。

要約すると「蓮の花」だと思っていたのは「幻だった」ということ。

主人公は恋愛において、幻を追い求めては手に入らず苦しんでいるような状態なのでしょう。

叶わぬ恋にハマっているのですね。