お互いを詰り合わない美学
セプテンバー そしてあなたは
セプテンバー 秋に変った
私一人が傷つくことが
残されたやさしさね
出典: SEPTEMBER/作詞:松本隆 作曲:林哲司
松本隆はさらりと真実を書くので油断なりません。
男女の別れに際してお互いを傷つけ合うのはあまり美しい光景ではないです。
浮気された仕返しをしようと画策するよりも自分から相手に見切りをつけてしまう方が潔いはず。
別れ際が綺麗な人はその人自体が美しいです。
自分の美学を持っていることの証でもあります。
とはいえこの女性もこの境地に至るまでは色々と逡巡していました。
若い頃の恋愛で別れ話の際に過剰な反応をしてしまうのは仕方のないことかもしれません。
今、同じ境遇で悩んでいる方は将来のことを一番に考えてみてください。
傷つけあって別れることにどれほどの意義があるのか見定める冷静さが求められます。
綺麗な別れ方は未来を明るく照らしますので大切なのは相手への未練か自分自身かを秤にかけましょう。
今なお愛される「SEPTEMBER」
歌謡曲に代わる新しい音楽
セプテンバー そして九月は
セプテンバー さよならの国
トリコロールの海辺の服も
二度と着ることはない
出典: SEPTEMBER/作詞:松本隆 作曲:林哲司
9月になればもう夏の想い出は仕舞われてしまうという寂しさを伝えるライン。
この恋を思い出すものは身の回りから排斥してしまうようになる。
こうした振る舞いは一過性のものでどんなに酷かった恋愛でも後々ふと想い返すのが記憶の不思議なところ。
どんな些細な事柄でも夢の中で突然生々しく思い出してしまうなど心が引き起こすことは制御できません。
それでも自分の意識でしっかりと避けることができることもあります。
この女性にとってそれは3色のシャツを着なくなることでした。
旧い恋は9月の訪れとともにもう終わりです。
確かにこんな9月は寂しいだろうと思わせて曲は終わります。
しかし彼女の未来が明るいだろうという予感を竹内まりやは漂わせるのです。
すべて美声と歌唱の力でその難しい表現をなしえます。
世界に誇れる日本の至宝として竹内まりやの作品が注目を浴びるのも頷けることです。
失恋ソングなのに爽快。
竹内まりや、松本隆、林哲司
関係者全員が新しい日本の音楽を創ろうとしていた時代の最良の成果「SEPTEMBER」。
今なお新鮮に響くこの歌をこれからも愛していきたいです。
辞書から「Love」だけを切り取るささやかな復讐など全編がとても面白いドラマでした。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
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