本当、ガキの頃から いつもありがとうな
これから また、よろしくな

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ

幼馴染のような、小さな頃から一緒にいた友だちのことを歌っているのでしょうか。

それだけ長い付き合いですと様々なことが「なあなあ」になってしまうような気がします。

例えば、感謝です。

地元に帰ればいつでも顔を合わせる友だちは、そこにいるのが当たり前の存在。

都会の愚痴をこぼし、あるいは地元の愚痴を聞いて笑って騒いで夜が明けるのでしょう。

そんな友だちに「ありがとう」を伝えるタイミングはあまりありません。

家族であれば父の日、母の日、あるいは上京するときに「今までありがとう」と伝えられます。

結婚式でもそうですね。「育ててくれてありがとう」という言葉はよく耳にします。

育ててくれた、学校に通わせてくれた、ご飯を作ってくれたなど具体的な「何か」をしてくれた家族。

それに対して友だちはギブ・アンド・テイクというケースが多いのではないでしょうか。

だからこそ彼らの存在の大きさに気づきにくく、感謝を伝える場面も得にくいのです。

一方この曲では、友だちに対してハッキリと感謝の言葉を伝えています。

AH 少し田舎で生まれて
そう、無茶な遊びもしたけど
くだらない事が よかった

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ

大都市でも田舎でもない、郊外を指すのでしょうか。

ある程度自然が残っていたり遊ぶ場所が広ければ、遊びのバリエーションが多くなります。

自然の中の秘密基地作りは都会では難しいですが、郊外ならできる場所があるかもしれません。

探検だといって廃屋に踏み入ってみたり、日が暮れても戻れない遠くまで自転車で行ってみたり。

あくまでも例でしかありませんが、都会では何かと制約されてしまうような遊びが地元では可能だったのでしょう。

大人になって振り返ってみれば「馬鹿だなあ」と感じるようなこともしていたはずです。

もう少し考えれば危ない目に遭わなかったのではないか、と思うかもしれません。

でもその頃の自分たちは「考える」ことをしていなかったのではないでしょうか。

怪我をするかもしれない。遅くなるかもしれない。事件に巻き込まれるかもしれない。

こうした想像は必要なものです。

しかし「行きたい」「入りたい」「やってみたい」という気持ちにブレーキを掛けてしまうのも事実です。

憧れの姿に一歩でも早く

現実は苦しい 夢ばかり追えない
早く大人になろうとした
親にだって少しは 楽をさせたかった
強くなろうと 強がっていたんだ

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ

自由な子供時代を過ごしても、大人に近づくに連れて皆がある程度の制約を受けることになります。

「やってみたい」だけを突き通すことはできず、どうしてもブレーキがかかるのです。

バンドとして大成したいと思っても、周囲からは「現実を見なさい」と言われてしまう。

親元にいるうちは、親の反対を押し切って……ということは難しいでしょう。

自分の稼ぎで生活できるようになったら、やりたいことができるかもしれません。

だからこの曲の主人公は、一歩でも大人に近づこうとしたのです。

また「誰かのために働く大人」に憧れた方もいるのではないでしょうか。

家族のために働く親の姿を見ると、自分もこんなふうになりたいと感じるものです。

自分ならできる!とどこかに根拠のない自信が生まれ、無理をしてしまうこともあります。

あの頃の強さを持ち続けたい

「明日また。」 それぞれの道を
歩いても 離れない My friend
ありのまま 生きてく強さと
失っちゃいけないモノがここにある

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ

好奇心や願望に正直に生きられた子供時代。

損得を勘定したり、周囲の顔色を窺うことなく純粋に歩いていられました。

大人になった今、子供の頃と同じように歩いている人はいません。

後ろ指をさされたらどうしよう。嫌われたらどうしよう。

不安になって自分を押し殺してしまう方が多いはずです。

周囲に押し流されない子供たちは「強い」といえるでしょう。

この強さは、大人になっても持ち続けていたいものではないでしょうか。

積み上げた物の数は計り知れない

友だちといえど他人であることに変わりはありません。

分かり合えないときは真っ向から衝突します。

信頼が友情を繋いでいる

むしゃくしゃして 傷つけた後でも
また、すぐに許しあう

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ

 衝突できるということは、自分の素直な気持ちを表に出せるということではないでしょうか。

相手の本心を知り「そういう考え方もあるのか」と納得できれば仲直りに至るのでしょう。

でも大人は衝突を避け、自分の気持ちを表に出しません。

ですから心の底から理解し合うことなんて不可能です。

どんな辛い時も
君が笑うから 笑えた

出典: My Friend/作詞:MOMIKEN 作曲:UZ