美しくてホラーチックな演出
「聖戦(Holy War)」の魅力
2019年5月22日に、女王蜂が楽曲「聖戦(Holy War)」のMVを公開しました。
「聖戦(Holy War)」はアルバム「十」の収録曲でもあります。
今回の楽曲では、ボーカルアヴちゃんの表現力がグンと上がっているのに驚きが隠せません。
裏声には抜け感が生まれ、スムーズな発声が歌詞の情緒を表現しています。
多用する訳ではなく、絶妙なタイミングでワンオクターブ上がるのがまた堪らない…！
また、いつもながらメッセージ性の強い歌詞には、人を惹きつける魅力があるといえるでしょう。
映画「貞子」主題歌
「聖戦(Holy War)」のMVには非現実的な演出が目立ちます。
生死の狭間を彷徨ったり、ついには貞子が登場したり、今まで以上にフィクション感が強いです。
これは、「聖戦(Holy War)」を主題歌として起用した映画「貞子」を意識しての演出ではないでしょうか？
貞子と聞くと「リング」を連想する人が多いかもしれません。
日本のホラーブームの火付け役ともいえる大ヒット作でしたね。
今回の貞子は鈴木光司の小説「タイド」を原作にしたものだそうです。
SNS時代を意識した演出の数々となっており、今までと一味違った貞子が楽しめますよ。
MVをチェック
鮮やかな色彩が際立つ映像
こちらが公開された「聖戦(Holy War)」のMVです。
教会を舞台に物語は繰り広げられます。
背景のひとつひとつにこだわりが感じられ、女王蜂らしい鮮やかな色彩にウットリ…。
2パターンのアヴちゃんが登場しますね。
銀髪で死んでいるかのように見えるアヴちゃんと、青髪で高らかにパフォーマンスをするアヴちゃん。
それぞれにはどんな意味が込められているのでしょうか？
詳しく見ていきましょう。
演出から読み取る状況
散らかった教会の床
神聖な場所であるはずの教会の床が散らかっていて、目を引きますね。
散らかっているものを見ると「お金、花、ロウソク」であることが分かります。
そして「もう何も信じられない」とインパクトのあるセリフを歌っているのも注目点。
映像内の教会の様子は、本来あってはならない現象なのだと思います。
それと同じだけ、主人公の心も掻き乱されているということなのではないでしょうか？
無残に散った花弁は粉々になった心の破片を連想させますね。
死んでしまった…？
次に銀髪のアヴちゃんが登場します。
アヴちゃんの握りこぶしの指を強い力で開く…ここから、死後硬直しているのではないかと考えられます。
動物は死後12時間ほどで全身の筋肉が硬化する構造となっているのです。
死後硬直した指を一個一個ほどき、綺麗に花が敷き詰められた棺桶に収める…。
とてもリアルな死の描写ですね。
死を嘆くメンバー
銀髪のアヴちゃんの周りにいるメンバーは悲しみに明け暮れている様子です。
メンバー全員が喪服姿。
涙を流し、酒を零れるまで注ぎ、大量の錠剤を飲み込みました…。
受け入れることができなくて、各々の方法でショックを表現しているのかもしれませんね。
メンバー愛を感じられる演出です。
