リアルな歌詞
卒業式当日を迎えたものの、自分の気持ちを伝えられない女の子。
女の子の心情がとてもリアルに描かれており、多くの共感を得ています。
この楽曲に背中を押され、思い切って告白したというファンも。
「サクラウサギ」は新曲として発表されましたが、制作されたのは「魔法の絨毯」よりも前でした。
専門学校に通っていた川崎鷹也が、卒業式を迎えた同級生の姿を見て思い付いたそうです。
きっと3年間、片思いをしていた子もいるんだろうな。
そうして作り出されたのが、「サクラウサギ」だったのです。
当時の川崎鷹也は上京が決まっており、別れに対する想いが人一倍強かったとインタビューで語っています。
この楽曲では「好き」という気持ちを伝えられない女の子が描かれています。
でも、卒業を前に伝えたい言葉は「好き」だけじゃないでしょう。
大切な友人への感謝、迷惑ばかりかけた先生や親への謝罪、人それぞれあるはずです。
この楽曲は、そんな気持ちをちゃんと伝えて欲しいというメッセージも込められています。
臆病な女の子
とても寂しがり屋で、臆病なウサギ。
「サクラウサギ」に出てくる女の子も、ウサギと同じように臆病で弱虫です。
大好きな人に想いを伝えたいのに、臆病過ぎて気持ちを伝えることができません。
気付いて欲しいけど気付かれたくない
誰も居ない教室の片隅に置かれたノートに
あなたの名前を書いては消したただ気付いて欲しくて
出典: サクラウサギ/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
冒頭の歌詞からも、女の子がとても臆病であることが分かります。
気付いて欲しくてノートに名前を書くものの、そのたびに名前を消す女の子。
筆跡で自分が書いたことがばれるのが嫌だったのではないかと、考えることができます。
自分の気持ちに気付いて欲しい。
でも自分の気持ちに気付かれたら、どうしたらいいのか分からない。
そんな葛藤があったのでしょう。
私もあの中に混ざりたい
桜の花びらがヒラヒラ舞う中で
コサージュが似合うあなたは群がる人に紛れ
涙を浮かべながら笑っている
そんなあなたを遠くから見ることしかできない
私はサクラウサギ
出典: サクラウサギ/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
この歌詞からも、女の子の臆病な一面を知ることができます。
たくさんの仲間に囲まれ、涙を流しながらも楽しそうに笑う彼。
楽しかった学生時代を振り返っているのでしょう。
歌詞の5行目にある「遠くから」というフレーズ。
このフレーズからは彼に話しかけたくても声をかけられない、女の子の弱さを知ることができます。
溢れる想い
彼とのお別れがいよいよ間近に迫り、女の子の想いはどんどん強くなっていきます。
明日からはもう彼と会うことはありません。
お互いに地元を離れてしまえば、街中で再会することもないでしょう。
忘れることができたら
明日になればこの気持ちは消えてしまっているのかな
もう二度と見ることのないあなたの
制服姿が眩しくて
出典: サクラウサギ/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
会わなくなった瞬間、彼のことを好きではなくなるのかな。
この歌詞からは、女の子のそんな不安な気持ちを読み取ることができます。
1度好きになった人を忘れるのは簡単なことではありません。
会わなくなっても、好きという気持ちはずっと残ったままです。
女の子と彼は同級生で、毎日顔を合わせていた仲でした。
だからこそ、会わなくなったらこの感情もなくなると考えたのではないでしょうか。
もしかしたら、忘れることができたらいいという女の子の願いもあるのかもしれません。
この苦しい片思いを終わりにしたい。
そんな女の子の想いも込められているのではと考えることができます。
思い続けた3年間
見ることしか出来なかった
3年の月日は決して 独りよがりじゃなかったと
思い続けた時間は気が遠くなるほど長くて
届いて欲しくて 伝わって欲しくて
想いは溢れてゆく
出典: サクラウサギ/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也