仕組まれた情事

(女)馬鹿いってんじゃないわ
(男)馬鹿いってんじゃないよ
(女)あそばれてるのわからないなんて
(女)かわいそうだわ

出典: 3年目の浮気/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉

形勢逆転。ついに反撃が始まります。

情事の全てを心得ている女性...。

あなたは遊んでいるつもりでも、本当は弄ばれていると反対に今度はからかうのです。

何人もいる内の1人だと皮肉っているのでしょう。

所詮、浮気相手から手玉にとられているだけと。

大きな子どもを諭すような情景が頭に思い浮かびます。

つくづく男とはいつまで経っても幼稚なのだと、気づかされる強烈な一言なのです。

男性は、なんとも複雑な心境に陥るのかもしれません...。

男はいつの時代も稚拙...

(男)3年目の浮気ぐらい大目にみろよ
(女)ひらきなおるその態度が気にいらないのよ
(男)3年目の浮気ぐらい大目にみてよ
(女)両手をついてあやまったって 許してあげない

出典: 3年目の浮気/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉

徐々に形勢逆転される男性

強気だった先ほどとは一転、振る舞いに変化が表れはじめます。

許してほしいのか、どうなのか。

「3年目」であれば、聞き入れられると考えているのでしょうか。

嘆かわしい男の浅はかな部分が露呈します。

威勢のいい言葉で、機嫌をうかがっているのです。

女性の反応を肌身で感じながら、謝るタイミングを計っているのかもしれません。

鬱憤を晴らすため、土下座を要求する女性。

たとえしたとしても、この場を凌ぐパフォーマンスだといっているのでしょう。

タイトルこそ「3年目の浮気」とはいうものの、おそらく「3年間」だったのです。

可愛い男の性

(男)馬鹿やってんじゃないよ 本気でそんな
(男)荷物をまとめて 涙もみせずに旅だてるのかよ
(男)馬鹿やってんじゃないよ 男はそれなりに
(男)浮気もするけど 本気になれない可愛いもんだぜ

出典: 3年目の浮気/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉

必死に畳み込む男性。

落としどころの光が微かに見えたのでしょう。

いよいよ本格的に許しを請います。

出ていく気がないにも関わらず、引き止められるのを待っているのです。

女性の涙を逆手にとり、意地の悪い言葉で煽ります。

勝手気ままに、自分を正当化する言葉がペラペラと矢継ぎ早に場を収めようとするのです。

一体どちらが悪いのか、女性の気持ちを思いやると理解に苦しむ発言ではないでしょうか。

「3年目の浮気」が制作された時代も反映されているのかもしれません。

一昔前の、「女は黙って家で待つ」という風潮が至極当然の時代です。

現代では馬鹿げた、時代の情勢ではないでしょうか?

遠まわしに、「愛しているのはお前だけ」と伝えたいのです。

素直に謝れない男の心模様が、少なからず感じとれます。

うちに秘めたる炎

全てを掌握する女性

(女)よくいうわ そんな勝手なことばが
(女)あなたの口から出てくるなんて 心うたがうわ

出典: 3年目の浮気/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉

誰もがうなずく反論です。

「3年間」も我慢強く耐えていた女性。

さすがに疑心暗鬼となっているのでしょう。

今回もどうせ許してしまうのだろう。

そう傾いていたはずの感情に火がつき、メラメラと復讐の炎へと燃え広がろうとしているのです。

別れても好きな人

(男)よくいうよ いつもあまえてばかりで
(男)やきもちやいても可愛くないぜ 大人になりなよ

出典: 3年目の浮気/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉

どちらが大人なのか飲み込めていない、男性。

女性の気持ちを弄び続けます。

「妻」の、勝気で懐の深い性格や愛おしい仕草

3年も寝食を共にしている2人。

たとえ浮気相手と過ごしていても、常に脳裏には焼き付いているはずなのです。

結局は最後まで、偉大な「妻」の手のひらで好きなように転がされている男性なのでした。

メラメラと灯す火種