コーヒーの色は?と聞かれれば、大半が黒やこげ茶と答えるでしょう。
しかしここで用いられている表現は青。何とも不思議な表現ですね。
もちろん実際に青いわけではないのですが、そう見えるということでしょう。
この表現は2通りの解釈ができそうです。
まず18歳という青春、その青にかけているというのが1つ目の解釈。
もう1つは、主人公が薄暗い場所にいることで実際に青く見えているという解釈です。
深いコップになみなみと注がれたコーヒーは、ただでさえ深い黒に見えます。
そのコーヒーに影が落ちれば、濃紺のような色合いになるのでしょう。
電気もつけずに、部屋の中でコーヒーを見つめながらただ1人佇む主人公。
主人公はコーヒーを飲みながら18歳の自分が過ごした日々を思い返していると考えられます。
コーヒーの色が意味すること
ここで主人公が見つめているコーヒー。
青く見えるということはつまり、ブラックコーヒーということでしょう。
苦みのある大人の味。18歳にしてそれを求めるとは、やはり背伸びしたい年頃なのかもしれません。
またもう1つ意味を見出すとすれば、歌詞1-2行目との対比でしょう。
主人公が過ごしてきた18歳の日々は、きっと明るく楽しいものだったに違いありません。
なぜなら太陽さえも見惚れるくらい可愛らしい彼女がいたから。
その頃の自分が明るい色だとすれば、コーヒーを飲んで思い出に浸っているいまはまさに寒色。
失恋を機に世界の色が褪せてしまったように感じているのかもしれません。
心の移り変わりが見事に表現されていますね。
変わらないこと
相反する感情
口が裂けて
目がつり上がる
出典: 18歳よ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
ここでは主人公の感情が目まぐるしく変化している様子が描かれています。
1行目、これはおそらく笑顔を表しているのでしょう。
これ以上笑えない!という勢いで笑顔を見せています。
続く2行目。これは怒りを表していると考えられますね。
この2つの感情が続けて表現されていることで、これらが日々目まぐるしく変化していることがわかります。
止まった時間
僕らは秋のまま
風がなぜか優しい
出典: 18歳よ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
秋。それは冒頭で綴られていたとおり、主人公が大好きだった君と別れた季節でした。
しかし主人公はまだその事実を受け入れてはいません。
2人がうまくいっていた頃に戻りたい。そのような気持ちもあるのでしょうか。
そんな主人公に対し、風は思いやりを見せているようです。
冷え切った主人公の心を癒すかのように、あたたかい風を吹かせているのかもしれません。
しかし主人公は、そんな風のやさしさになんて気がつく余裕がありません。
自分自身が直面している大問題に精一杯なのです。
最後の思い出
部屋での出来事とは?
18歳の
目をしてた君の
甘い匂いと
指も入れ慣れた部屋
もう君の匂い残る
中指にすら気付けない
出典: 18歳よ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
ここでは、18歳だった彼らの初体験の思い出を綴っています。
詳しくは触れませんが、4-6行目がまさにその思い出を表現しているといえるフレーズです。
まだ僕と君が付き合っていた頃は、時折どちらかの部屋を訪れていたのでしょう。
この歌詞の語り手が僕であることを考えれば、4行目の部屋は僕の部屋だと想像できます。
風が意味すること
僕はなぜか悲しい
風がなぜか優しい
出典: 18歳よ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁