尾を振りながら浅い眠りについたよ
夢をみたよ おもひでが溢れて
わん わん わん

出典: 忠犬ハチ/作詞:ぷす 作曲:ぷす

ハチは最終列車が通り過ぎるまで、飼い主の帰りを待ちます。

列車がもう来ないことを知り、眠りにつくハチ

この歌詞の1行目に、「浅い」というワードがあります。

ハチが飼い主の帰りを諦めていないことが、このワードから分かるでしょう。

今日の列車は終わりましたが、もしかしたら飼い主が帰って来るかもとハチは考えているのです。

足音がしたらすぐに起きれるように、浅い眠りについたと考えることができます。

ハチが尻尾を振っているのは、夢の中で飼い主と会えるからです。

飼い主と会えて喜んでいるハチの気持ちが、歌詞の3行目のフレーズに表れています。

飼い主の帰りを信じているハチ

いくら待って飼い主は帰って来ません。それでも、ハチは待ち続けます。

どうして、ハチはそこまで飼い主を信じることができたのでしょうか。

帰って来ない飼い主

今日の日も何だか前がぼやけて
貴方の姿 探して
大好きな匂いがした気がして
背伸びしながら浅い眠りについたよ
夢をみたよ 幸せが溢れて
わん わん わん

出典: 忠犬ハチ/作詞:ぷす 作曲:ぷす

この歌詞からは、ハチの悲しみが伝わってきます。歌詞の1行目にある「ぼやけて」というワード。

悲しみの涙で、視界がぼやけてしまったのでしょう。ハチは一生懸命に、飼い主の姿を探します。

飼い主と同じ匂いを感じるたび、期待したはずです。夢の中でしか飼い主に会えないハチ。

飼い主と一緒に過ごせる夢の中は、ハチにとって幸せな空間だったと思います。

歌詞の5行目にある「幸せが」というフレーズから、そのことがよく分かるでしょう。

大切な人を失う悲しみは、犬であっても人であっても変わらないんだということを思い知らされます。

貴方だけでいい

もうどれくらい時が経ったかな
春も夏も秋も冬の日も
季節の旅 貴方に会えぬまま
優しい他人の想いもすり抜けて
此処でずっと待ってる
それで貴方に逢えるのなら
辛くないから
いつまでも貴方を待ってる

出典: 忠犬ハチ/作詞:ぷす 作曲:ぷす

ずっと飼い主のことを待ち続けるハチ。そのことを知った人々が、ハチに手を差し伸べます。

しかしハチは、その想いを受け取ろうとしません。ハチにとって飼い主だけが全てなのでしょう。

もしかしたら、ハチは飼い主が帰って来ないことに気付いているのもしれません。

それでも、ハチは待たずにいられないのです。ハチと飼い主の絆の深さにただ、驚くばかりです。

帰って来てよ

ここまで優しい口調で歌詞が紡がれてきましたが、最後はリズムが変わります。

どうして帰って来ないの?僕はずっと、待っているんだよ。寂しいよ。

そんなハチの悲痛な叫び声が聞こえてくるようです。

飼い主を待ち続けた10年という月日はハチにとって、耐え難い日々だったでしょう。

とても辛く、寂しかったはずです。

ハチが飼い主を待ち続けた理由

ずっと待っている
あぁ ずっと待っている
貴方のその温もりに触れたいだけ
今日の日も
ずっと待っている
あぁ ずっと待っている

出典: 忠犬ハチ/作詞:ぷす 作曲:ぷす

ハチが飼い主を待ち続けた理由はなんでしょうか。

飼い主がいないとご飯を食べられないから?暖かい寝床を用意してもらえないから?

どちらも違います。答えは歌詞の3行目にある「温もり」というワードにあります。

ハチはただ、飼い主のそばにいたいだけなのです。

飼い主はハチのことをとても可愛がっていたのでしょう。

いつも優しく撫でてくれたのかもしれません。

ハチはその手の温もりを忘れることができないのです。

これまでにも、ハチを撫でてくれた人はいるでしょう。

そのことはとても嬉しかったはずです。しかし飼い主の温もりには敵いません。

それぐらい、ハチはとても飼い主のことが好きだったのだということが分かります。

もう一度、優しく撫でてよ。この歌詞からは、そんなハチの想いが伝わってきます。

おかえり

「ただいま」の声で目が覚めて
「おかえり」って言う為にまた今日も待つよ

出典: 忠犬ハチ/作詞:ぷす 作曲:ぷす