4thアルバム『スポーツ』に収録された一曲

『乗り気』の世界観

通算4枚目のアルバム『スポーツ』、10曲目の収録曲です。

この曲は、椎名林檎さんが作詞、作曲をキーボードの伊澤一葉さんが担当されています。

歌詞としては、ただただ過ぎる日常をなんとなくこなしていることに違和感を覚え、警鐘を鳴らすお話です。

大人になり、働き出して、ふとした瞬間によぎる不安や違和感

誰しも感じるそれらの感情と、打破するためのモチベーションを歌った曲になります。

では、歌詞の世界に入っていきましょう!

気付けば大人になっていたが…これは望んだ未来なのか?

あっという間に流れる時間

小さな頃に遠い世代のことだって思っていた未来が、いま視ている現代。

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

子供の頃、大人になることはものすごく先のことで、すごいことだと思っていました。

これはきっと、皆さんそうだと思います。

しかし、実際の体感としては知らない間に大人になっています。

時間としては数十年かかっているのに、実感がないのです。

だからあっという間に気付けば大人状態。

「あれ?」

と思った時にはすでに大人なのです。

たとえその状態が理想と離れていようとも。

流されているだけなのでは?

電話を持って、電車に乗って、電動ランデヴー。
実に便利…わたしは生きているの? 一体大丈夫?

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

そうして知らない間になってしまった大人。

想像していた大人とは何かが違います。

自分で考えて、判断して、めまぐるしい社会の喧騒を闊歩するカッコいいイメージだったはずなのに…

実際は、何気なく過ぎる時間をなんとなく繰り返している日々。

利便性に長けたツールが満たす現代の生活そのものに生かされているのでは?

ただ流されているだけなのではないか?

という違和感を感じています。

誰しもそうなのですが、あまりにも平坦過ぎるのではないかと心配になり始めている状態です。

なんのために生きているのか?

ただただこなす毎日のルーティーンへの違和感

果たして
感じているのか考えているのか
はてなしらない

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

人は皆、生きるために働いているのです。

働いているからには思考はハッキリしていて、脳で判断しているはず。

しかし、これまでの行動を思い返した時、違和感しかなかったのです。

同じ時間に起床し、同じ電車に乗って、同じ通勤経路で職場に向かい、同じ机に座ってパソコンを開く。

帰り道に馴染みの店で軽く飲み、また同じ道で帰路へつく。

時間に支配され、机に縛られ、ただただ同じ行動が繰り返される毎日は、本当に判断しているといえるのか?

ただ身体が反応する条件反射で動いてるだけなのではないか?

そういう違和感。

現代の社会人はこれがおそらく通常で、ルーティーンこそ至高と言わんばかりに安定を求めている気がします。

不安定な情勢のせいでそうなるのはわかるのですが、これは本当に生きているといえるのか?

という疑問を投げかけています。

最も大きな違和感は自分自身