我が麗しのミーナ 涙溢れくる
こんなに別れが悲しくなるなんて
熱くて冷たい頬寄せ合えば
濡れた潮風みたいな せつなさがこみあげる
恋は異なものだと 他人は言うけれど
どうせ遊びなら捨てられた方が好き
甘くて激しい逢瀬の晩に
燃える真夏の鼓動が この肌を狂わせた

出典: https://twitter.com/jp_0319/status/928580973670756352

「可愛いミーナ」は大切な女性を失った切なさをしみじみと思い返す失恋ソングです。

かつて過ごした夏の日、<この肌を狂わせた>熱い恋に落ちました。

この恋は歌詞の語り手にとってはほんの<遊び>。

夏の終わりとともにサラッと別れるつもりだったから、彼女との別れで<涙>がこみ上げるなんてことも、<悲しくなるなんて>ことも想定外だったのですね。

<恋は異なものだと他人は言う>という歌詞"縁は異なもの味なもの"ということわざから取ったのでしょう。

"縁は異なもの味なもの"とは「男女の縁は理屈では説明できない人知を超えた力があって、おもしろい」という意味です。

<どうせ遊び>と言いつつ、予定通りにフラれるときには涙がこみあげてきてしまう…。人の恋愛感情には、確かに不思議な力が働いているのかもしれませんね。

ロマンティックが終わる時
独りぼっちの夜が来る
Heartbreak の海が涙で滲む
なのにもう……
粋な文句で火をつけて
熱いキッスで燃え上がる
帰らぬ女性(ひと)と夢の中で
恋に落ちる

出典: https://twitter.com/sazan_kashi_bot/status/935842472835481600

<独りぼっち>で夜の海辺に佇む男性の姿が目に浮かびます。

過ぎてしまったひと夏の熱い記憶とともに<涙が滲む>のでしょう。

今もし隣に彼女がいたら<粋な文句で火をつけて><熱いキッスで燃え上がる>…。

こんな不埒なことを夢想してしまうほど、彼の心では彼女が大きな存在になっていたのですね。

2番

だから可愛いミーナ 薔薇の花束を 生まれ変わるなら君だけに捧げよう 世界の果てまで幸せ運び いつも君の耳元で 「Johnny Guitar」を奏でるよ

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/904275354683969540

"大切だった女性はもう二度と出会えない人だから、生まれ変わってもう一度出会えたなら幸せにしよう"という気持ちが歌われています。

歌詞に登場する<Jhonny Guitar>は曲名のことだと言われています。

1954年に制作されたハリウッド映画『大砂塵』の挿入歌「Jhonny Guitar」は世界的なヒット曲となりました。

「Jhonny Guitar」は歌詞に登場する女性が大好きな曲だったのかもしれませんね。

ビート・ポップに酔わされた わりとシックな秋の頃 Surfbreakの波が生まれて消えた だからもう……

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/638341783894671360

プール・サイドで口づけた モップ・トップの影は無く 愛する女性(ひと)と巡り会えた 時代(とき)が終わる

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/528595402090491904

<モップ・トップ>とは別名"マッシュルームカット""おかっぱ頭"とも言われる髪型のこと。

ビートルズがこの髪型をしていたことで世界的な流行となりました。

1960~1970年代の日本でも、グループサウンズやフォークソングの流行とともにこの髪型がはやったのです。

<モップ・トップの影>が無いという表現は、過去から現代へと時代が移り変わったことを示唆しているように感じます。

<愛する女性(ひと)と巡り会えた>"とき"という表記を<時代>と書いていることからも感じられるのは、時代が移り変わったというニュアンスです。

「可愛いミーナ」で歌われているのは、ついこの間終わったひと夏の恋ではなく、もっと遠い何十年も前の恋のことなのかもしれませんね。

そう思ってこの曲を聴いてみると、失恋の悲しさ・せつなさだけでなく、青春時代への哀愁やノスタルジックな想いも感じ取れるのではないでしょうか。

大サビ


ロマンティックが終わる時 独りぼっちの夜が来る Heartbreakの海が涙で滲む なのにもう……

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/920790361491910656

粋な文句で火をつけて
熱いキッスで燃え上がる
帰らぬ夏の思い出に
今をいきる
夢をみてる
涙にじむ

出典: https://twitter.com/goronyan38/status/623487614377529344

恋が終わって数十年後、いい歳のおじさん・おばさんになっても、あの日の熱い思い出というのは心に残っていますよね。

年を取る寂しさの中で熱い思いを懐かしく、さらに当時と同じくらいのせつなさで思い出すことがあるでしょう。

もしかしたら、過去の恋の相手はもうこの世にはいない…なんてこともあるかもしれません。

それでも、その切ない思いを抱えて私たちは<今>を生き続けるのですよね。

タバコの煙が 目に沁みただけさ ハートがせつない 本気の恋だった サヨナラしたのは 気まぐれのせいさ 時計を巻戻(もど)して もう一度イカせてよ Ah, ah...

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/921394139693846528

<涙が滲む>のは<タバコの煙が 目に沁みただけさ>なんていう強がりも、おそらく若かりし日から変わっていないのでしょうね。

<時計を巻戻(もど)>せるのであれば、あの人とともに過ごしたい。

こんなせつない感情が波音のようにフェードアウトし「可愛いミーナ」は締めくくられます。

最後に…

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桑田佳祐, 桑田佳祐&Mr.Children, 桑田佳祐&奥田民生, KUWATA BAND, SUPER CHIMPANZEE
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