BUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKENは日本の4人組ロックバンド。
千葉県佐倉市出身のバンドでメンバー4人は幼稚園からの幼馴染です。
中学3年生の時に文化祭で演奏を行うためにバンドを結成し、その後、ボーカル/ギターの藤原が高校を中退し本格的にバンド活動を行うようになります。
Beat Brust in Japanでグランプリを獲得。
1999年3月にインディーズアルバムとして『FLAME VEIN』、2000年3月に『THE LIVING DEAD』をリリース。
2000年9月20日に1stシングル「ダイヤモンド」をリリースしメジャーデビューします。
2001年3月14日に発売された2ndシングル「天体観測」が55万枚以上を売り上げる大ヒットになりブレイクします。
2010年に4月14日に16thシングル「HAPPY」を、4月21日に17thシングル「魔法の料理〜君から君へ」を連続リリースします。
この「魔法の料理〜君から君へ〜」は、音楽サイト・ナタリーのインタビューによれば、藤原が20代最後に生み出した曲だと言います。
自分の少年時代にメッセージを送るような実体験が元になっているこの曲。
音楽性もファンタジックで優しく、なんとNHK『みんなのうた』に取り上げられます。
これは想定していなかったことのようです。
BUMP OF CHICKEN (1/5) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
BUMP OF CHICKEN (1/5) - 切実なメッセージと私小説的楽曲 心の琴線に深く触れるシングル2作 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
YouTubeで「魔法の料理〜君から君へ〜」をcheck!
MVも過去の自分自身に語りかけるような映像が特徴です。
でもこの歌の秘密はそれだけではありません。
「魔法の料理〜君から君へ〜」の歌詞を読み解く
叱られた後にある 晩御飯の不思議
あれは魔法だろうか 目の前が滲む
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
小さい頃に、母親に叱られたことを思い出しているのでしょう。
確かに怒られるようなことをしたのです。
当然、何か罰のようなものがあると思っています。
でも晩御飯はいつものようにちゃんと出てきて、ご飯を食べることができます。
家族が与えてくれていた温かさを思い返しているのです。
そして愛情がまるで魔法のようだったと思わず涙ぐんでいる。
情景が浮かびます。
正義のロボットの剣で 引っ掻いたピアノ
見事に傷だらけ こんな筈じゃなかった
大きくなるんだ 伝えたいから
上手に話して 知って欲しいから
何て言えばいい 何もわからない
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
"正義のロボットの剣"と"ピアノ"が登場します。
ここは実体験でしょうけれど、とても示唆的です。
"ロボットの剣"は強さを表しているかもしれません。
そして"ピアノ"は音楽のことです。
"正義のロボットの剣"で"ピアノ"をめちゃくちゃにしてしまった。
これが僕がやってしまったことなのでしょう。
当然、怒られるわけです。
でも、怒られるけれど、晩御飯は出てくる。
許しが描かれているのです。
"正義のロボットの剣"で音楽を傷つけてしまうとはどういうことでしょうか?
もちろん単純にその言葉をそのまま受け取ってもいいと思います。
でも音楽というものに疑いや色々な感情を持って傷つけてしまうことはあると思います。
筆者も音楽が好きだったのに聴かなくなった時期がありました。
しかし音楽自体はやはり素晴らしいものだと思っています。
ここでは音楽というものを傷つけてしまったことに対する許しが描かれています。
舞台は子ども時代ですが、もっと大きくなって自分の気持ちを伝えたいという思いも描かれています。
この部分は、まるで本当に子ども時代に戻って描かれているようです。
君の願いはちゃんと叶うよ 楽しみにしておくといい
これから出会う宝物は 宝物のままで 古びていく
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
"君の願いはちゃんと叶うよ"という君とは、自分自身のことです。
でも聴く人には、聴いた人の願いが叶うような気がするマジカルな歌詞です。
"許し"と"祝福"が描かれています。
一見、子供時代を振り返って描かれた家庭的な歌のように思えますが、その中身にはまさに魔法と呼ぶべき不思議さがあります。
大きくなるんだ 仲間が欲しい
わかり合うために 本気を出せる様な
基地が出来るまで 帰らない様な
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
この歌では、まだ大切なバンドメンバーと出会う前だったのでしょう。
大きくなること、そして仲間が欲しい。
そう思っています。
そして思いが実際に叶って、BUMP OF CHICKENというバンドは生まれたのでしょう。
期待以上のものに出会うよ でも覚悟しておくといい
言えないから連れてきた思いは 育たないままで しまってある
更に 増えてもいく
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
30歳を目前にした自分には未来がわかっています。
でも歌の中の僕には未来はわからない。
幼かった自分に励ますように歌うこの歌。
"期待以上のものに出会う"とは、仲間のことでしょうか?
そして言えなかったたくさんのことを歌にしていくのです。
怖かったパパが 本当は優しかった事
面白いママが 実は泣く時もある事
おばあちゃんが 君の顔を忘れたりする事
ひげじい あれは犬だって 伝え様がない事
いつか全部わかる ずっと先の事
疑いたいのもわかる 君だからわかる
メソメソすんなって
出典: 魔法の料理〜君から君へ〜/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
夢が叶うなんて、いったい誰が信じているでしょう?
でも幼い藤原はきっと信じていた。
そして実際に仲間に出会い、言えなかったことを歌にしてきた。
そこには人に伝わる素晴らしいことがあったのです。
信じるから自分の夢を叶えることができる。
この歌が本当に伝えていることは信じることなのではないでしょうか?