ここで話はいったん彼らの青春時代に遡ります。
主人公の少年が隣国の街で出会った女の子に恋をしたことがわかります。
緑の女の子ですね。
この子は初音ミクをイメージしているかと思います。
彼は朗らかな彼女に一目ぼれしました。
少年の恋の行方はどうなるのでしょうか。
女の子の死を望む
だけど王女があの娘のこと
消してほしいと願うなら
僕はそれに応えよう
出典: 悪ノ召使/作詞:mothy(悪ノP) 作曲:mothy(悪ノP)
ここでショッキングな恋の結末がわかります。
王女が緑の女の子の死を望んだのです。
そう、暗に殺しの命令を下しました。
少年にとって、とても辛く悲しい決断。
しかし、彼はこんな王女のわがままに応えるのです。
王女のためなら好きな女の子ですら殺してしまう少年。
ただの双子というものでは言い表せない深い思いを王女に抱いています。
なお、彼女が緑の女の子を消してほしいと頼んだ理由は、「悪ノ娘」を聴くとわかります。
鏡音リンが歌う、王女側を主人公にした楽曲です。
自分の好きな人が緑の女の子に恋をしてしまい、それに嫉妬したために起こした行動でした。
とても横暴な王女の性格が読み取れます。
どうして?涙が止まらない
出典: 悪ノ召使/作詞:mothy(悪ノP) 作曲:mothy(悪ノP)
ここで少年の本音が垣間見えます。
本当はすごく辛いんです。
涙が止まりません。
それでも彼は王女に自己犠牲的な愛情を注ぎ続けます。
彼にとって一番大切な存在は彼女なのです。
何よりも大切なものは
無邪気な彼女の笑顔
君は王女 僕は召使
運命分かつ 狂おしき双子
「今日のおやつはブリオッシュだよ」
君は笑う 無邪気に笑う
出典: 悪ノ召使/作詞:mothy(悪ノP) 作曲:mothy(悪ノP)
王女のために彼女の大好きなお菓子を持って行ってあげたことがわかります。
彼女の笑顔見たさにです。
自分が思いっきり涙をながした後も、彼女の笑っている顔が見たい。
そうすることで彼は救われるのです。
狂気じみた感情です。
なぜ彼女のために彼はここまで尽くすのでしょうか。
二人にしかわからない
おそらくそれは、彼が彼女の孤独を知っていたからではないでしょうか。
二人は双子として生まれたにも関わらず、彼女だけが王女という非常に重い責務を任されてしまいます。
幼いころからずっと一緒に育ってきた彼は、彼女の悲しさや辛さをずっと隣で見てきたのでしょう。
巨大な富を持ち、全てを自分の思い通りに動かす、わがままな王女。
それが世間のイメージなのは間違いないでしょう。
しかし、本当は自分の運命すら決められず、大人たちに政治上のコマとして使われた一人の女の子なのです。
彼はそんな血をわけた姉をほっておけないのでしょう。
悪に染まっても王女を守ると決めた召使いの少年。
この先どのような未来が彼らに待ち受けているのでしょうか。
悲劇に向けて、ゆっくりと物語は進み始めます。
革命勃発
処刑場へ
もうすぐこの国は終わるだろう
怒れる国民たちの手で
これが報いだというのならば
僕はあえて それに逆らおう
出典: 悪ノ召使/作詞:mothy(悪ノP) 作曲:mothy(悪ノP)
国民による革命が始まりました。
一部の利益を享受する、王国や貴族といった特権階級への反逆を開始します。
そして彼らの怒りの矛先は、もちろん王女です。
わがままで贅沢し放題な彼女は、国民の生活を蝕む悪そのもの。
人々は彼女に、『死』という重い刑を言い渡すのです。
少年は、それに逆らおうと奔走。
彼の選択が多くの人の心を打ちます。