今もっとも勢いのあるミクスチャーロックバンドRADWIMPS。
そのRADWIMPSの楽曲が、がらりと変貌を遂げた時期がありました。
今回はその頃、リリースしたシングルCD「狭心症」に収録された不思議なタイトルの楽曲「寿限夢」と共に、RADWIMPSの変貌を語って行きたいと思います。
変化し続けるRADWIMPS
RADWIMPSの変貌
5枚目のアルバム「アルトコロニーの定理」をリリースした2009年から、野田洋次郎さんは身近なすぐそばにある「奇跡」や「不条理」と言うものに焦点を当てていきます。
それから2010年に同時リリースされた10枚目のシングル「マニフェスト」と11枚目のシングル「DADA」では、その眼は更に広く世界を見るようになっていったのです。
メンバーの休養
そんなRADWIMPSに2015年、5枚目のアルバム「アルトコロニーの定理」リリース以来の存続の危機が訪れます。
それはドラム担当・山口智史さんの「フォーカル・ジストニア」と言う神経症の悪化と言う事態でした。
山口智史さんは一時脱退を考えるものの、またメンバーで話し合いを重ね、休養と言うかたちで変わらずRADWIMPSに在籍しています。
世界を見るRADWIMPSですが、身近にある大切なものこそ見失わない。
メンバー同士の絆の強さがうかがえますよね。
「狭心症」のリリース
2011年2月9日、RADWIMPSは13枚目のシングル「狭心症」をリリースします。
この「狭心症」と言うシングルは、「狭心症」と「寿限夢」と言う2曲の楽曲を収録したものでした。そして「狭心症」は、衝撃的なMVと共に話題を呼びます。
衝撃的なMVって?
「狭心症」はこれまでのRADWIMPSからは想像が出来ないくらい現実的な問題を注視した曲で、野田洋次郎さんの考える「世界の不条理さ」が爆発したものでした。
そんな野田洋次郎さんが世界を変えるにはもっと幼い年代にも呼びかけないと急に大人は、世界は変えられない。
そして、そんな気持ちから受験生応援ソングとして書いたのが同シングル収録曲の「寿限夢」でした。残念ながら「寿限夢」のMVは無いようです。
「寿限夢」って?
「寿限夢」と書いて「じゅげむ」と読むこのシングル曲。
とても不思議なタイトルですよね。
「じゅげむ」と言えば、真っ先に浮かぶのがあの有名な落語ではないでしょうか?
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの……」とても長い名前をつけられてしまう子供の話です。
「寿限無」と「寿限夢」
落語のほうの「じゅげむ」は「めでたく長生きするような名前」を付ける話と言うことで漢字では「寿限無」と書きます。
しかしこの楽曲で表記されている漢字は、「寿限夢」です。
「無」ではなく、「夢」と書きます。ここら辺は野田洋次郎さんの言葉遊びのセンスが現れていますよね。
「めでたく限りない夢のために」。
長い長い名前を繰り返す落語のように、繰り返し聴いていたい可愛らしい曲調ですよね。