愛し…愛し合えると言うの? 君の唇を塞ぐよ
目を閉じて 罪深き くちづけ
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
愛し…愛し合えるさ きっと 君の首筋に突き立て
目を閉じて 罪深き くちづけ
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
『屍鬼』は吸血鬼的な設定になっていますので、「首筋に突き立て」るのは、屍鬼となった者の牙なのでしょう。
二度と戻れない それでいい
真夜中を見つめて ワイン飲み干す
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
ここでの「ワイン」は、やはり「血」なのだと思います。
昼には行動できない吸血鬼と同じ屍鬼ですから、「真夜中を見つめ」るしかないのです。
愛し…愛し合うのさ もっと 激しい渇きに狂いそう
目を閉じて 罪深き くちづけ
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
人間の血を飲むしか生存手段のない屍鬼。
人間の中には、家族が屍鬼となってしまったため、自らの血を与えて一緒に暮らそうとする者もいます。
これはお互いに愛がなれけば成立しない関係だとも言えそうです。
おいでこの腕の中 "あっちの闇は苦いぞ"
君は惑い 揺らめく
やがて永遠になる "こっちの闇は甘いぞ"
僕は深く 突き刺す
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
しかし何も「突き刺す」のが屍鬼だけの専売特許ではありません。
人間も、屍鬼退治のために、吸血鬼に対してそれが有効であると言われているように、「胸に杭を刺す」という手段を持ちます。
こちらの歌詞の部分での「僕」というのは、屍鬼に抗う人間の方でしょう。
お前の匂い 狂わせる
真夜中に目覚めて 狂気 愛 飲み干す
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
おいでこの腕の中 "あっちの闇は苦いよ"
君は惑い 揺らめく
やがて永遠になる "こっちの闇は甘いぞ"
僕は深く 突き刺す
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
再び同じサビが繰り返されますが、最後に少し変わります。
おいでこの腕の中 "あっちの闇は苦いぞ"
君は少し 微笑む
これで永遠になる "こっちの闇は甘いぞ"
僕は深く 突き刺す
出典: くちづけ/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
「君」は微笑んで、「僕」は突き刺す。
これで永遠になる……。
意味深な歌詞ですが、とてもアニメの世界観に合っているので、原作の内容を知ると理解できると思います。
きっとわかる人にだけわかる「ネタバレ」であり、また、小説や漫画の作品を大切に考えた範囲での興味をそそる歌詞なのでしょう。
この楽曲を聞くと、『屍鬼』がどんな物語なのか、小説でも漫画でもアニメでもいいから、何かしらの形で知りたいと思えてしまうからです。
まとめ
BUCK-TICKと聞くと、「名前は知ってる」という方や、「まだやってたの?」という方もいるかも知れません。
30年前を知っている人は懐かしく思うでしょうし、まだ30歳に満たない方にはかえって目新しい存在となるのではないでしょうか。
一度聴いたら耳から離れない、櫻井敦司の独特の声や、今井寿を中心とした骨太なサウンド、今では「ヴィジュアル系」というだけのジャンルではくくれない魅力が彼らにはあります。
それがもっと多くの人に届けば良いな、と思わずにはいられません。