「家族 feat. KOHH」

【家族 feat. KOHH/般若】実話を描いた衝撃作!二人の家族と生い立ちを描く歌詞の意味を解釈!の画像

アルバム収録曲

「家族 feat. KOHH」は2014年7月23日に発売され、般若にとって8枚目のアルバム「#バースデー」に収録されている曲です。
2002年に開催されたB-BOY PARKでは見事MCバトルで準優勝!!
般若はテレビ朝日系列のヒップホップ番組「フリースタイルダンジョン」にラスボスとして出演していたのでご存知の方も多いはず。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/般若_(ラッパー)

シングル曲ではありませんが、その衝撃的なリリック(歌詞)の内容で話題になった曲。

般若は攻撃的で、かつ過激なリリックが特徴のMC(ラッパー)。実力も認められているMCですね。

宇多田ヒカルと共演し有名になったKOHH(MC)のリリックも胸に刺ささります。

それでは「家族 feat. KOHH」の世界を見ていきましょう!二人が紡ぎ出す家族とは!?

「家族 feat. KOHH」の歌詞

【家族 feat. KOHH/般若】実話を描いた衝撃作!二人の家族と生い立ちを描く歌詞の意味を解釈!の画像

深掘り

親父、元気か? こっちは良い天気だ
今、ちょっと喋って平気か?
ま、時間がねぇワケじゃねぇしな
あれから20年 こんなん言うのも自分で
大人げ無ぇのも分かってっけど
俺はあんたを憎んでる
言ったよな? 21年前のあの夜
家に母ちゃんはいなかった

出典: 家族 feat. KOHH/作詞:般若,KOHH 作曲:DJ HAZU,般若

マイナーコードの物悲しいギターで曲がスタート。ヒップホップ特有の強いビート感はないトラックなので聴きやすいです。

まずは般若のパートです。父親へ話しかけるリリックから始まります。

そして、父親への憎しみを暴露します。21年前に父親との確執があったようです。ヒップホップの直接性がよく理解できるリリック。

普通の歌とは違ってヒップホップの場合は言葉の数が多くなるので、物語や心情を細かく表現することが可能です。

具体的な言葉が並ぶので抽象度は薄れてノンフィクションの濃度が高くなります。

「あの夜」に何があったのでしょうか!?

だから、電話が鳴れば受話器を取る
え?何だって?実は俺には兄弟がいる?
電話しろってどんな理由?
でも、そん時は嬉しかったよ自分
馬鹿だよな 電話しちまった今思えば
兄ちゃんのその声が 迷惑そうなのが答えだ
男だから堪えた でもぶっちゃけた話こたえた
で、いつもの通りアンタの連絡は途絶えた

出典: 家族 feat. KOHH/作詞:般若,KOHH 作曲:DJ HAZU,般若

父親から突然の電話があり、般若には兄貴がいたという突然の告白。これは驚きますね。なぜ、突然父親は知らせてきたのでしょうか。

そのことについての詳細なリリックは綴られていないので詳細はわかりませんが、父親として知らせておかなければならない理由があったのでしょう。

そして、その後、父親からの連絡が途絶えます……。勝手な父親に怒りを感じているのでしょう。

【家族 feat. KOHH/般若】実話を描いた衝撃作!二人の家族と生い立ちを描く歌詞の意味を解釈!の画像

でも、悪い話ばっかりじゃない
俺の記憶だとアレは10歳
連れてってくれたよね? サーカス
ライオンが俺たちを沸かす
次に会ったのは中1
「大分大人になった雰囲気」
言ったアンタと言われた俺は
どう映った?渋谷の夕陽に
94年7月アンタの容態が気になる

出典: 家族 feat. KOHH/作詞:般若,KOHH 作曲:DJ HAZU,般若

ここは父親との良い想い出を綴っているリリック。父親がサーカスに連れて行ってくれた想い出を語ります。

そして、時間軸は現在に戻ります。

「アンタの容態が気になる」という言葉が続きます。父親の身に何かあったのでしょう。

向かった先 北区の病院 看護婦の声が遠い
3日前?4日前? 蝉の声 ごっちゃ混ぜ
感謝してる 今写真のアンタを見てる
家庭のことも嘘ついた 国籍のことも嘘ついた
でも、てめぇが何も知らねぇところで一人の女は強くいた
でも、アンタといたらどうなった?
これだきゃ言える 手に輪っか
殺さなくて良かった
愛を受けて俺は育った

出典: 家族 feat. KOHH/作詞:般若,KOHH 作曲:DJ HAZU,般若

病院へ向かったところ、既に父親は亡くなっていたようです。般若の複雑な思いが綴られます。感謝と怒りの入り混じった混沌とした心情。

般若に対して父親が嘘をついた事実は変わりません。しかし、憎しみと怒りはあるけれども、自分がこの世に生を受けたのは父親がいたおかげ。

そして、もし般若が父親と暮らしていたら、父親を殺していただろうという衝撃の告白。その反面、母親からは愛を受けて育ったという感謝。

両親に対する対照的な2つの感情がみられます。般若の深い心の闇を感じました。

【家族 feat. KOHH/般若】実話を描いた衝撃作!二人の家族と生い立ちを描く歌詞の意味を解釈!の画像

愛を受けて俺も育った
1992年1月15日がパパの命日
2歳の頃の記憶ねぇし ビデオと写真だけ見てイメージ
それでママは精神病院にいた
俺が七五三の時 「達雄が私を呼んでる」つって
9階ベランダから飛び降りて自殺しようとする
泣いて叫んで暴れて死ぬって言う
俺はアンタを憎んでる

出典: 家族 feat. KOHH/作詞:般若,KOHH 作曲:DJ HAZU,般若

ここからはKOHHのパートです。KOHHの父親はKOHHが2歳のときに亡くなりました。そのことが原因で母親の精神は壊れてしまったようです。

母親は精神病院に入院。自宅でも自殺願望があったようで、幼いKOHHの気持ちは複雑だったでしょう。

そして「俺はアンタを憎んでる」というリリック。般若と同じように父親を憎んでいるという意味ですね。母親の精神が壊れたのは父親のせいと思っているのです。