時代の変化を嘆く思い
海より眩い情熱が
紅い夕陽に染まる頃
茅ヶ崎あたりのモーテルにゃ
夏の終わりが涙で暮れた
森に眠る古城のように
夢は遥か蜃気楼
さらば青春の舞台よ
胸がJin-Jin と疼く
だのに太陽はもう帰らないTo me
何故…砂漠のように
心が渇くのでしょうか?
エボシ岩を見つめながら
夜霧にむせぶシャドー
出典: HOTEL PACIFIC/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
ここでも<夕陽>や<太陽>という単語が登場します。
若かりし日の<眩い情熱>が、沈む<夕陽>に染まるというのは、やはり時の経過とともに失われた情熱を指しているのでしょう。
かつて持っていた<夢>も、遺産として静かに佇む<古城>のように古く、冷たくなっているようです。
ここでは<舞台>をステージと読ませています。
かつては満ち足りていた<心>も、今は<砂漠>のように渇ききっている……。
ちなみに、パシフィックホテル茅ヶ崎近くの海岸にはエボシ岩があるそうですよ。
<シャドー>とは「影」のこと。
時代とともに変わってしまった心と景色に嘆く思いを自分自身の影に託しているようです。
パシフィックホテル茅ヶ崎への別れの歌
ああ君の…灼けたSun-Tannedの肌に
胸がJin-Jinと響く
夏の太陽が嗚呼 燃え上がる To me
愛…硝子のように
敢え無き運命でしょうか?
砂の上で口づけした
真夏のPacific Hotel
今でも忘れないWoh,Oh,Oh…
涙のPacific Hotel
So I Love You…
出典: HOTEL PACIFIC/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
青春時代の回顧録。というと簡単に聞こえるかもしれません。
しかし、たとえば数年ぶりの帰省で馴染みのお店が無くなっているのに気付いたとき、やっぱりどこか切なくなる。
それが何年間も親しんだ施設ならなおさらです。
さて、かつて熱く心を燃やした愛へ投げかける<今でも忘れない>という言葉を、<Pacific Hotel>にも同じように言いたいのではないでしょうか。
かつて繁栄を極めた施設も今は無く<硝子のように敢え無き運命>なのか?と嘆きながら、最後には<I Love You…>と伝えています。
1つ前のサビにあった<さらば青春の舞台よ>加味すると「HOTEL PACIFIC」はパシフィックホテル茅ヶ崎への別れの歌。
「かつては世話になった!ありがとう!」というメッセージさえ感じるような気がしてくるのです。
最後に……
サザンオールスターズ「HOTEL PACIFIC」はいかがでしたか?
かなり有名なこの曲ですが、実はアルバム収録されておらず、CDではシングル盤のみで聴くことができます。
歌詞の内容を助長するような寂しい曲ではなく、むしろ踊り出したくなるほどノリのいい曲ですから、未聴の人はぜひ一度聴いてみてくださいね!
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