「君」と周囲と、希望と恐怖の間で揺れる想い
「俺」の命は「君」との間だけでなく、周囲に対してや希望と恐怖の間でも揺れています。
自分が変わるか、周囲が変わってくれると願うか。
良い方向に変われるかもしれないし、悪い結果になるかもしれない。
とっくに手遅れで何も変わらないのかもしれません。
悪い方向に変われば今微かに持っている希望もなくなってしまう。
どちらの可能性も考えてしまうから自由に動けない。
様々な要素や可能性の間で揺れている間に時間だけが過ぎていきます。
薄暗い部屋と眩しい空
自分がいる場所は薄暗い
薄暗い 部屋 今日も一人
薄暗い 部屋 今日も一人
薄暗い 部屋 今日も一人
眩しい 空 みんな一人
出典: クラッカー・シャドー/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色
繰り返し「俺」のいる場所は薄暗いと表現されています。
薄暗い場所というのははっきりした光も影もない曖昧な場所です。
「俺」は強い光から離れていたいのでしょう。
強い光があれば影ができます。
ここでの光は、クラッカーが示すような将来への希望や「君」との楽しい時間。
影は「俺」が感じる不安や世界への拒絶です。
そうした光と影の間で揺らぐ自分の命。
そこから目を逸らすために、「俺」は薄暗い場所で一人でいたいのです。
青い空の下は誰の場所?
眩しい 空 みんな一人
出典: クラッカー・シャドー/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色
けれどカーテンの外に8月の日差しがあることに、「俺」は気づいています。
外の日差しは眩しく、曖昧な薄暗い状態を許してはくれません。
そしてそんな空の下で、喜んだり苦しみながら生きている人たちがいます。
一緒に酔って笑える「君」もその一人なのでしょう。
自分が逃げている眩しい空の下で、みんな一人で生きています。
「俺」もまたそうした人たちのことに気づいているのでしょう。
薄暗い曖昧な場所ではなく、眩しく明るくてその分影も多い場所。
そんな場所にいるのは、全く別の人間ではなく同じ一人ぼっちの人々なのです。
だからこそ、変わるのに必要なものは決意ひとつだと「俺」は気づいています。
最後は…明日になったら変わっていこう
明日になったら変わるから
世界もそれなり笑ってよ
また揺らいでいる
俺の物じゃない命
クラッカー・シャドー
出典: クラッカー・シャドー/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色
変わるのは自分か周囲の方か。
最後にこう歌う「俺」は、自分自身がまず変わることを決意しています。
そして周囲の世界も良い方向に変わってくれればいいと呼びかけるのです。
クラッカーと蝋燭によって照らし出された「俺」の世界。
それは薄暗い世界から踏み出した、光と影の世界です。
その中で「俺」は不安や拒絶と希望の間で揺れ動きながらも前を向こうとしています。
MVでも印象的な、俯いていた表情から前を向く眼差し。
明日になった時、変わるのは自分自身です。
そして世界や友人、不安と希望の間で揺らぎながらも前に進んでいく命がそこにはあります。
クラッカー・シャドーは、決して明るいだけの歌ではありません。
けれど光と影のように苦しい気持ちを抱えているからこそ。
同じように迷い揺らぎながら前を向こうとする人の側にある歌です。
悩みや迷いを抱えるからこそ多くの人に刺さる。
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