リア充アピールに飽きたから渇きを叫く(カワキヲアメク)!ただし美しく!という冒頭でした。

ただ「どこかで見たことがある!」という自分ツッコミが入ります。

カラカラに渇いているんですけど……という非リア充の不満ワガママだと指摘しています。

しかし、ワガママな非リア充の不満は意外と好きなのでしょう。ありがちな話だとしても。

ただし、カワキヲアメクなら思いっきり!これだけは譲れません。

叫び始めた!

美波【カワキヲアメク】歌詞解釈!「カワキヲアメク」ってどんな漢字?アニメ「ドメスティックな彼女」OPの画像

雨も降った

もういい
ああしてこうして言ってたって
愛して どうして? 言われたって
遊びだけなら簡単で
真剣交渉無茶苦茶で
思いもしない重い(軽い)言葉
何度使い古すのか

どうせ
期待してたんだ出来レースでも
引用だらけのフレーズも
踵持ち上がる 言葉タブーにして
空気を読んだ 雨降らないでよ

出典: カワキヲアメク/作詞:美波 作曲:美波

これまでの部分はいわゆる前フリだったわけですね。ここから実際に渇きを叫び始めます

四の五の言っていてもしょうがないから始める!という説明まできちんとあるわけです。

いきなり「愛して~」と出てくるところは「ドメカノ」のストーリーが重なります。

本気で好きな人と遊びでつき合う人は別……確かに使い古された言葉かもしれません。

さらに脈ナシの出来レースだとしても、本気で愛してくれることを期待していたと考えられます。

「踵(かかと)~言葉」はキスのことでしょう。キスや好きという言葉は使いたくないわけです。

そのため引用を使う!という前フリ。答えは後ほど出てきます。

「カワキヲアメク」を実際に展開したので、「雨く」つまり雨が降ったという表現も秀逸ですね。

必要最低限の2文字…

紅の蝶?

まどろっこしい話は嫌
必要最低限でいい
2文字以内でどうぞ

紅の蝶は何のメールも送らない
脆い扇子広げる
そのほうが魅力的でしょう

出典: カワキヲアメク/作詞:美波 作曲:美波

引用を使う!という前フリの答えが出てきました。必要最低限の2文字は「好き」でしょう。

「紅の蝶」は歌物語の主人公自身のこと。自分は「好き」という言葉を使いません。

その代わり「カワキヲアメク」という「脆い扇子」を広げるだけ……と解釈できます。

なぜ紅の蝶なのか?というと、美しさを保ちつつ不満をわめいているから……でしょう。

渇きを叫ぶことで真っ赤に染まりつつ、蝶のような美しさは留めていると考えられます。

蝶のように羽を広げる代わりに扇子を広げるという造形美もお見事ですね。

迷で?

迷うってどういうこと!

迷で
応えられないなら ほっといてくれ
迷えるくらいなら 去っといてくれ
肝心なとこは筒抜けで
安心だけはさせられるような
甘いあめが降れば
傘もさしたくなるだろう?

このまま
期待したままでよかった
目を瞑った
変えたかった 大人ぶった
無くした 巻き戻せなかった
今雨、止まないで

出典: カワキヲアメク/作詞:美波 作曲:美波

美しい言葉が散りばめられた「カワキヲアメク」ですが、「迷で」の歌声がとくに素敵ですね。

「迷って」ではなく「迷で」(めいで)なのは「どうせ」と韻を踏んでいるのもあるでしょう。

さらに「2文字以内とヒントまで出したのに迷っているの?」という強い反発にも聴こえます。

好きという気持ちに応えられないなら、好きか嫌いか迷うくらいなら、最初からかまうな、と。

思わせぶりな態度をとられたら、不満くらい叫びたくもなるだろう……という意味でしょう。

「ドメカノ」の主人公・夏生(なつお)はそもそも英語教師の陽菜(ひな)が好きでした。

年上なので大人ぶる必要があり、過去に戻って変えたい出来事もあります。

このあたりの叫びは「ドメカノ」も「カワキヲアメク」も両方とも当てはまる展開でしょう。

これほど心の底から渇きをわめいているわけですから、今ここで雨が止んではいけません

居たい?痛い?

コピー、ペースト、デリート
その繰り返し
吸って、吐いた
だから
それでもいいからさ
此処いたいよ

出典: カワキヲアメク/作詞:美波 作曲:美波

好きという気持ちをマネして貼り付けて消去する……くらいのニュアンスでしょうか。

音楽制作や「カワキヲアメク」という楽曲の構成について語っているようにも受け取れます。

とにかく息はしている、生きている、と。繰り返しのような人生でもかまわないわけでしょう。

ここに居たい、つまり生きていたい、あるいは「ドメカノ」なら同じ家に居たい……ということ。

もしくはここが痛い心が痛い……と解釈することもできそうです。

両方の意味を兼ね備えているのかもしれません。痛くも美しい表現のオンパレードです。

嘘と真実は紙一重